閉じる
氏 名所 属
本仲 純子 徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 教授

■ご意見の内容

○徳島県の赤石港は整備が進んでいるが、赤石港から国道55号までの間が非常に貧弱な道路しかない。道路は、つながっていなければ意味がない。

○人が少ないから道路が必要ないという論理はおかしい。道路はつながってこそ効果を発揮するものであるから、路線全体で評価すべきものである。

○徳島県の道路事情として、生活道が狭く、幹線道路では渋滞が激しい。以前に比べると高速道路がX型につながり良くはなった面もあるものの、まだ不十分である。徳島は平野部が大小多数の河川で分断されているため橋の数が多く、非常にお金がかかり、整備が大変であるが、道路は社会へ与える影響の最も大きい社会資本である。道路ができることにより、人の流れも町も変わる。また、徳島自動車道は、暫定2車線で走りにくい。遅い車がいても追い抜けず、危険を感じる。

○徳島大学には、実用性の高い学部しかなく、文学部などの文系の学部がない。しかし、そういった文系の学部があることによって、実用性の高い学部の生産性が上がる。総合大学にするメリットはそういったところにある。徳島県民性として、実用性の高いものにしか投資しない傾向があると感じる。県民一人当たりの貯蓄が多いのもそういったことの表れだと思われる。
 このような効率性の高い部分に集中投資することは、一見、効率的に思われるが、実は効率的ではないことも多い。このような目先の効率性を追い求める傾向は、徳島県だけではなく、全国的に強くなってきているようにも思う。
 道路を始めとした社会資本の整備についても目先の効率性にとらわれ、全体を見ないがために非効率とならないように配慮すべきである。