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氏 名所 属
文 世一 京都大学大学院 経済学研究科 教授

■ご意見の内容

○これまでの道路政策について
・社会的便益が社会的費用を上回る便益の高いものから整備するというのは効率的な投資ルールとして理解できる。
・費用便益分析にもとづいて整備がすすめられるのなら、道路に一般財源からも財源を確保しても問題ない。
・これまでの道路整備は、国土の均衡な発展という名目で、交通量の多くないところを造ってきた。そこが批判の対象になっている。
・大都市と地方都市を結ぶ道路を造るとストロー効果が働き、強いところに吸収され、一極集中する。
分散を目的とするなら、道路整備の順番を替え、地方都市と地方都市を結ぶ道路整備を優先する方が、政策目的の実現可能性は高い。

○今後の道路政策について
・有料道路の料金は、距離比例ではなく混雑しているところは高く、空いているところは安くすることが望ましい。
・道路をつくるだけでは混雑は解消しない。ロンドンのように課金して混雑を解消することが考えられ、この課金で公共交通を支援するなどパッケージで交通というものを考える必要がある。