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氏 名所 属
那須 清吾 高知工科大学  社会システム工学科 教授
社会マネジメント研究所 所長

■ご意見の内容

東京は2キロ歩いたら必ず駅がある程度の鉄道駅計画がある。一方で高知の中山間地域では救急車が救急病院に行くのに都会の何倍もの時間がかかる。東京の地下鉄と地方の医療どちらを優先させるのかとなった時に、B/Cで考えれば地下鉄になるかも知れないが、本当にそれでいいのか。東京の人が目的地に着くのを数分早める投資より、地方の人の命を守るための投資を優先すべきだということを地方の要求として言うべきだ。そのためには高知もきちんとした将来ビジョンを持って、コミュニティを維持するため、国民が享受すべき最低限のサービス・安全・安心を確保するためのインフラ整備とは何かちゃんと具体的に説明しなければならない。
高知は中山間地域が多いが、中山間地域にも仕事場があれば生活できるわけだから自立できる。馬路村のゆずのようにスモールビジネスが中山間地域を救うということがある。そのための最低限のインフラは情報ネットワークと最低限のアクセスルートだ。生活を支える、産業を支える、地域を支えるために最低限のネットワークが必要だ。高速だけでなく、街路も国道もそうだ。中山間地域が生き残っていくためには防災も医療も産業も全てに関わってくる骨格としてのインフラ整備が必要なので、B/Cだけではないのだということを言わなければならない。そうしないと、高知の道路整備は無駄だと思われてしまう。

インフラ整備を要求することと、地方が活用方策などのビジョンをもつことはセットだ。
インフラを活用するビジョンがない限り、いくら整備しても無駄。これは地方の責任。国土交通省はビジョンを示した地域から先に整備するという風にした方がいいのかも知れない。
産業なり、地域づくりなりの明確な将来ビジョンを示したところに重点を置き整備するほうが活用という観点から効率がいい。

道ではないが高知空港などは周辺の利用が進んでおらず活用方策が必要だと思う。作った後にはきちんと活用しなければならない。

高知では最低限の道路サービスが遅れている。
県道などは特に橋なども老朽化し、放置できないと考える。その背景には絶対的な資金不足がある。インフラの維持管理の割合をもっと高くしないと高知県のインフラは使えなくなるのではないか。道路特定財源を維持管理に回すことももっと真剣に議論した方がよい。決して道路特定財源が余っているとは思えない。