閉じる
氏 名所 属
永島 龍弘 高野山 真言宗 総務部長
総本山 金剛峯寺 執行

■ご意見の内容

○ 京阪神地域等から龍神温泉へ行く場合には必ず高野山を通過しなければならない。そのため、観光シーズンには年に数回程度、大渋滞となることから、高野山に外環状道路を整備するか、もしくは、バイパスを整備していただきたい。そうすることで、高野山に参拝される方は山内に入っていただき、そうでない方は高野山を経由せずに直接龍神温泉に行っていただくなど、交通の分離を図ることが可能となる。

○ 高野山が開創されて平成27年で1200年となる。高野山真言宗自体が福祉に重きを置いていることから、環境に優しく、かつ、街に優しくありたいと考えており、平成27年を機に、中国の厦門(アモイ)のコロンス島やディズニーランドのように山内は排気ガスを排出しないような電気自動車を走らせるようにしたいのが夢である。高野山までは自動車を使い、駐車場で電気自動車に乗り換えることができれば、山内の環境を守ることができる。それに加え、参詣道が世界遺産に指定されていることから、電気自動車とは別にもっと歩いて参拝できるようにしたい。

○ 今年度に車優先の道路から歩行者優先の道路への再構築を図るための社会実験を実施するが、まず、全体的な交通網を踏まえた地方のあり方を設定することが重要である。公的なもののPR不足により全体像が見えてこない。住民にとっては「突然やって何するの?」といった印象を与えるだけであることから、住民そのものがイメージを湧くことができ、善し悪しが判断できるようにしなければならない。もっと言えば、高野山のグラウンドデザインを明確に描くべきである。狭小な地区であることからモデル事業も実施しやすいのに、社会実験等に携わっている人たちはその目的のみに追われている感がある。

○ トンネル等の完成で道路が整備されれば走行するルートも変わってくる。道路というもので町の形が変わってくる。京奈和自動車道が開通されれば橋本市は単なる通過点となり、道路が整備されれば困る地域も生まれてくる。

○ 高野山から自動車がなくなればすごい宣伝になると考えている。世界遺産の登録も実は日本初は高野山であったが「断った」と聞いている。1200年もの歴史がある町であるから新しいものをすぐには取り込みにくい性質が残っているのかも知れない。しかし、山内は駐車場のスペースが狭く路上駐車がとても多いので、「ちょっと歩く」ということをメインにおけば案外取り込んでいただけるのではないかと考えている。