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氏 名所 属
西澤 弘之 特定非営利活動法人 三国湊魅力づくりプロジェクト 理事長

■ご意見の内容

○これまでの道路の政策に関して、特にどのような改善点があるとお考えですか。
●都市部の道路網や公共交通機関は、中心部に向かって整備されているが、周辺部から周辺部、横方向への移動がしづらい。
サインや看板表示が画一的であり、例えば石川県や滋賀県などに入ったような実感がない。鉄道には駅の名前などがあって実感があるが、道路は繋がっているから実感がない。また看板の裏が使われていないのはもったいないので県の木や花を紹介したり、地元に任せて公募したりして面白い図案を入れていくのはいいと思う。道路の標識を工夫すると、道路を走る楽しみになる。

○今後、道路政策においては、無駄を排するなど効率化を徹底する必要があると思いますが、特にどのような点を重視すべきとお考えですか?
●ただ効率だけを追いかけても仕方がない。私は非効率が即ち無駄という考えはではない。どこかの部分で無駄のようなものは必要である。それはビューポイントの整備とか環境配慮に対するコストかも知れないが、国として目指す方向を広く国民に知らしめるような姿勢が必要であり、国だからこそ出来る気がする。

○今後、取り組む道路政策の一層の重点化を図ることが必要であると思いますが、優先度が高い又は低い課題への対応は何であるとお考えですか。
●単一的な道路ではなくて地域の活性化の視点や、今後要求されるであろう環境の視点での道路作りが必要である。例えば街路樹が単一的である。どうせ予算をかけるならバラエティに富んだものを植えてその土地にあった植生であるとか壁面を作れば、道路として環境に配慮していると言うことをアピールできるのではないか。どこに行っても一緒では面白くないので、全体じゃなくポイントで「グリーン計画」のようなものを作って、地域の特性を用いて変化を感じさせる。その土地に来たという実感を持てるような仕掛けをして、楽しみながら目的地に行くようになればいい。一方で地域の住民に任せても交通事故があったりしたときに管理者責任も問われるので、住民によるメンテナンスはなかなか難しいとも思う。
●道路事業として、「これだけ木を植えるとこれだけ二酸化炭素が減らせる」というのを国土交通省が率先して公表したらどうか。渋滞を減らすためには信号制御も関係してくるが、デンマークやスウェーデンの都市部ではロータリーを設けて信号を作らないようにしている。止まらなくていいので、燃料も節約できる。これだけ環境について言われる時代だと、国土交通省としても環境に配慮しているというのを一般の人に分かってもらうPRが必要である。そのためにコスト増になっても、環境ということなら国民も納得するのではないか。

○国民の皆さまに対し、幅広くご意見を頂くこととしておりますが、特に留意すべき点などをお教えください。
●「住民の目線で政治をする」というのが受け入れられているが、住民の目線でモノを考えたら政治はできない。もう少し先を見た、こうあるべきだというところへ誘導していく政治でないといけない。10〜20年後の長いスパンで考えるのは国だったらできる。長いスパンで考えたなかでムダをなくすような政策をしてほしい。

○その他、道路政策全般に関して、ご意見、ご要望等あればお聞かせください。
●福井県の道路と鉄道は南北に整備されているが、東西がない。産業、観光の振興になるとそれがいちばんネックである。物流通関係の企業は高速道路の近くを立地するなかで、テクノポートに立地する企業もあるが、北陸自動車道の金津ICから三国へのアクセスがわかりづらい。私達は極端に言うと金津ICは使わず、京都方面に行く時は丸岡IC、金沢方面は加賀ICを使う。早朝の空いている時間帯だと国道や県道を利用して鯖江ICまで行く。金津から鯖江まで高速道路を使うより、距離は10qぐらい短くて済むし時間も変わらないし、鯖江ICは国道8号と近い。それに比べ金津ICは使い勝手が悪い。観光会社も1区間でも安い方がいいので、手前の加賀か丸岡で乗り降りをする。
●シーニックバイウェイのシンポジウムで、北海道の事例があった。良い景色が見えるポイントに畑が写るので、NPOがその畑を買って整備したという話を聞いた。三国も丘陵地からの白山の眺めがいいビューポイントがあるので、何もないただの畑も北海道のように整備して、車を停められる場所を整備すると港から白山までの繋がりのようなものができる。