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氏 名所 属
野村 文吾 十勝地区バス協会 会長

■ご意見の内容

 道路特定財源の見直しに関する具体策(平成18年12月8日閣議決定)では、「道路特定財源の一般財源化を前提とする」ということになっていますが、あくまでも一般財源化には反対です。手順としては、まず道路整備の中期計画をまとめてどのくらいの整備が必要なのか精査し、その上で仮に余剰が出るのであれば、その時点で初めて余剰分について、暫定税率を下げるのか下げないのか、一般財源化する前に道路特定財源の使途拡大先として適当と思われるどの事業への財源とするのか、そして最後に一般財源化するのかしないのかを議論すべきです。
 また、仮に一般財源として使うということであれば、税の公平な負担、受益者負担ということから見た場合、車にかかる様々な税や揮発油税等を負担している人と負担していない人とで整合が図られないものと考えます。負担していない人からは、別な形で応分の負担をしていただくということも必要になるのではないでしょうか。
 これらを含めて、今後、具体的に進められる道路特定財源制度の見直しにおいて、再度議論していいただきますよう要望いたします。
 なお、今回は、「道路特定財源の一般財源化」につきましては反対の立場であり、道路整備の中期計画への意見提出によって、閣議決定の内容を容認するものではないことを申し添え、道路整備等への意見を述べるものです。バス事業者は、お客様を安全で時間通りに送り届けるという使命を担っており、安全性と定時性、そしてお客さまの利便性という観点から優先的に進めるべき道路整備は次の通りと考えます。

【■1.高速ネットワークの充実】:
 都市間の輸送の安全性、定時性の確保から高速ネットワークの早期整備が必要です。また、既存の高速道路は、ICが少なく使いづらいものとなっています。バスの路線を組むときの自由度を広げ、利便性を高めて利用者へのサービス向上を図るためにも、ICやスマートICを増やすような施策を推進すべきです。
 また、北海道では特に東北海道では高速道路上のバスベイの整備が進んでいないことから、利便性向上のために整備を進める必要があります。

【■2.市町村間の移動の安全性、定時性の確保】:
 北海道においては地方の鉄道が廃止されてきていることから、各市町村間の移動は、国道がその役割を担っています。公共交通としてのバス交通の安全性、利便性向上のためには、国道上他のバスベイの充実を図る必要があります。
 また、郊外部では、バス停までの歩道が未整備の箇所がありますが、利用者の安全性、利用促進のためにもバス停までの歩道の整備が必要と考えます。総じて、地方の公共交通としての役割を大きく担うバス交通の安全性、利便性向上につながる施策を推進する必要があります。

【■3.バス活性化支援】:
 公共交通としてのバスは、交通制約者の足の確保や高齢化・人口減少を迎えてのコンパクトシティーを目指す町づくりの観点から、同じ国土交通省の管轄であるバスに関して、道路特定財源を一般財源化する前に、地方バス生活路線維持対策補助制度の財源確保、バスの利用を促進させる事業推進、中心市街地を活性化させる町づくり等のために使途拡大による施策により支援することが必要です。