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氏 名所 属
小原 康造 羽後交通(株) 常務取締役

■ご意見の内容

・ 公共交通(バス)を運行する上で、雪による交通障害が大きな問題となっているため、停車路肩の拡幅、歩道の整備は重要な課題である。また、片側1車線の道路である程度交通量の多い路線においては、乗降時の停車や右折レーンの交差点において渋滞を引き起こす要因となっているため、右折レーン、バスベイの設置は重要であり、優先して整備をしていく必要があると考えている。特にバスベイの設置は、少ない予算で大きな効果をもたらすものである。

・ バスにとっては定時制の確保が利便性、信頼性につながる。特にバス路線の除雪体制確保は幹線道路と生活道路一体となって行うべきである。

・ 公共交通の活用は都市部だけの議論でなく、地方部においても交通弱者への対応としてあり方を議論すべきと考える。過疎地の公共交通の再構築においては、都市部と同様の一元的議論では問題が多いし、また雪国での道路のあり方をもっと議論していく必要がある。


・ 高速道路ネットワークの必要性の議論において、特に地方部の道路整備を全国一律の費用対効果で算定することは強引であると考えている。整備の必要性は交通量では判断できないものであり、逆に交通量が少なくても通行の難所の整備が経済効果は高いと考える。

・ 原油高の影響でバス運営も大変厳しい状況のなかで、生活路線維持のため行っている公共交通の運行に必要な燃料の軽油引取税を一般車輌と一律で負担しているが、軽減を図っていくべきと考える。

・道路政策を進めるにあたっては、道路管理者の違いで不整合が生じることのないように相互の調整を十分に図って頂きたい。また、交通管理者との調整も必要であり交通政策といったとらえ方で対策を講じる必要があるのではないか、その際は国がしっかりリーダーシップをとって進めて頂きたい。

・東北で進めているもしもしピットは大変有効なものであり、それとバス停を組み合わせた空間を作ることにより更に効果があがるものと考えている。さらに路線バスの運行経路も縮小されるなかで、ある程度の駐車スペース、駐輪場を確保した小型の道の駅を整備することによる、パークアンドバスライド施策が有効になってくると考えている。

・現在、東京方面への高速バスを各地から運行しているが東京のターミナルでの構内使用料もかなりの負担である。全国各地から首都圏へ集まる台数は相当数あると思われ、乗降場所もわかりづらいのが実態である。これらの問題課題の解決に向けて、総合的な交通政策を考えていくべきであり、例えば高速バスのバスターミナルの整備を行い、他の高速バス、新幹線への乗り継ぎをスムーズにするなどが今後必要となってくると考えている。