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氏 名所 属
岡島 成行 (社)日本環境教育フォーラム 理事長
大妻女子大学 教授

■ご意見の内容

○ 戦後、我が国の社会・生活は劇的に向上したが、一方で、仕事中心、家族を顧みないといった、余裕のない生活を余儀なくされた。今後は、そうしたやり方を見直し、より豊かで多様な社会・生活へと変え ていくことが必要。真に必要な道路のあり方は、今後の我が国の社会・生活のあるべき姿や方向性を見据えて考えるべき。

○ 国民の道路行政に対する不信感の主な原因は、@農道と道路の併設等の縦割りの弊害、A道路整備が政治家の道具に使われてきたのではないかという疑念、B道路公団OBとファミリー企業の関係に代表される天下り問題、の3点。まずは過去を反省し、負の遺産を払拭することが先決。

○ 真に必要な道路とは、行政が責任をもって計画案を策定し、それを国民に提示し、合意が形成されるというプロセスを経て決定されたものをいうのではないか。

○ 山間地、過疎地等での豊かな生活を支援する総合的な仕組みが必要。道路だけで解決しようとせず、看護婦の定期巡回、無償医療、学生生活を支える寄宿舎の建設など道路整備以外の方策によって償う仕組みを省庁の枠を超えて国全体で検討すべき。

○ 自然に触れて豊かさを実感できる環境づくりが必要。ロングトレイル(遊歩道)は、途中途中に民宿や休憩所を配置し、手軽に散策できる道路であり、ゆとりある生活を支える上で重要な施設。
また、管理をNPOや住民に任せれば新しい繋がりが生まれてくる。高規格な道路だけでなく、こうした遊歩道も道路の一種であることをしっかりPRすべき。人と道の融合が図られれば国民の道路行政に対する印象も変わるはず。