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氏 名所 属
織田 佳樹 木曽広域消防本部 消防長

■ご意見の内容

 道路整備等に関し、消防関係者として、また一般ドライバー、地域住民として日頃感じていることについて、主に地域内の道路に関して、以下のとおり回答させていただきます。


(前置)
  車社会であり、山奥でも人が住んでいれば道路は必要である。
  特に、過疎、少子高齢化の進んだ、山間地の木曽地区にあっては、買物や医療機関にかかること、農林業等への従事ほか、車がなければ生活ができにくくなっている。
  狭隘な地形の木曽谷の幹線道路はR19号1本であり中心部に迂回路がない。
  災害時・緊急時には道路の存在は重要である。
  但し、車優先のみではなく、人の生活と安全の確保は必要である。
  道路の整備、維持管理等には金がかかるのは当然である。(無駄は無くすことは大切)
 
1. 国道について
@ R19は、面積は広大であるが人口の少ない木曽地域を、南北に約60キロメートルにわたり縦断する一般国道である。通行車両は通常大型車が多く、管外の都市圈を繋ぐ、経済活動に欠かせない主要な幹線道路であり、生活道路・観光道路でもあるが、狭陵な谷あいを走るため迂回路はなく、主には大型車等の通過のための利用が多い。
長大トンネルの恵那山トンネルの高速料金が高いことや、危険物車両の通行規制から木曽路への流入通過車両が多い。住民は、事故の心配と騒音に悩まされている。
  道路は、整備されれば通行車両が増加することは必然ではあるが、効果のあがる交通安全対策とセットで整備をしていただきたい。
* 高速料金の低減化を図ることを検討して実現していただきたい。
* 現在まで、危険物車両の木曽路での大きな事故は発生していないが、発生の危険性は常に高いことから、木曽路の通行車両を減ずる方策を検討していただきたい。
また、北部に伊那と木曽を繋ぐR361があり、権兵衛トンネル開通後通行車両が増加しているが、神谷地区からR19までは未整備であり早急な整備を期待したい。
 南部にはR256が伊那・飯田圏域と南木曽町と繋がっているが、清内路トンネルから漆畑の間が未整備で狭く、カーブが多く、積雪時は危険も伴うことから、早期の改良整備を期待したい。
A 交通事故発生時の電光掲示板の設置・活用について 
 R19上で交通事故が発生した場合、迂回路もないため、渋滞中のドライバー等から問い合わせの電話が消防本部に多数寄せられる状況にある。この場合119番を使用しての入電が多い。当本部は小規模、少人数の本部のため、災害が発生すると、通信勤務者は1(〜2)名体制の場合が多く、対応が困難な状況に置かれる。
 そこで、ドライバーの心理状況を少しでも和らげられるよう次のことを要望したい。
 現行、気温や注意喚起を促す電光掲示板がところどころ設置されているが、交通事故の発生や、処理時間等、通行止めの情報を発信できるようにし、またより短い一定の距離間隔で施設を数多く設置していただきたいことを要望します
B 歩道の整備について 
 国道沿線に歩道が設置されているが、橋梁、跨線橋、狭隘な場所には歩道が設置されていない個所がある。特にR19は、地域にとって主要な生活道路でもあり、また、災害等の発生時には、重要な避難路ともなることから、歩行者の安全確保のために歩道の設置は重要である。車の通行量が多く、ハイカーが危険回避に戸惑っている場面に時々遭遇する。  
* 全線への歩道の設置促進を要望します。
C カラー舗装化・透水性舗装化の推進について
 雨天時、特に夜間はライトの光が乱反射して運転しにくい状況になります。
透水性舗装の区間を多くすることは乱反射を減じ、また危険個所等カラー舗装の色分けをすることは車線の区分が明確になり、安全対策に少しでも寄与すると思います。
D 舗装面の凹凸の解消について
 大型トラック、特に積載過多車の通行量も多いことから、舗装の凹凸が目立ちます。
 また、安全運転喚起のため、所々に一定間隔で横断線が敷かれているが、救急車の救急搬送の患者にとっては、わずかな振動により苦痛が増加するため、運転者もたいへん気を使うところである。
  凹凸の激しい路面の改修にご尽力いただきたいことと、できれば、横断線はなくして欲しいところである。
E 木曽川右岸道路の全線早期建設促進について
木曽地区を南北に縦断するR19は、地域住民にとっても主要な生活幹線道路であるが、車の通行量が多い上に交通事故が多く、生活上の安全確保上心配である。
迂回路がなく、木曽地区は一旦大きな災害があれば、陸の孤島となる可能性が高い。
ぜひとも木曽川右岸(奈良井川左岸)道路の早期開設が望まれる。
財政的に厳しい状況にあると思いますが、早期に国、県の取り組みをお願いしたい。
* 当面、R19では、市街地にある、旧日義村と旧木曽福島町境の正沢橋付近は、渋滞時や災害発生時には迂回路が必要であり整備を望みます。
F 右折車線の設置について
片側1車線で、かつ交通量の多いR19では、右折車線のない交差点があり常に追突の心配な場所が多い。
特に、木祖村の薮原交差点の上り線は、坂道であり、右折車及び後続車ともに非常に危険を感じる交差点である。是非とも早急に右折車線の整備をお願いしたい。
  (場所的に、整備することの困難性は承知しているが是非ご検討いただきたい。) 
 他、道の駅入り口や小さな交差点でも右折車線が必要な個所は多いので、できる限りの安全を確保していただきたい。

2.県・市町村道 
* 県・町村道は、狭隘な地形もあり、狭い、カーブが多い、坂が多い、路肩が弱いところが多い、ガードレールの必要な個所が多い、落石の危険性の高いところが多い、排水溝の整備が不十分な個所が多い、舗装が痛んだ個所が多い等、全般に、山間地に点在する集落等をつなぐ町村道は、不便でかつ安全上も不十分な道路が多い。  
 管理する自治体は、急峻な地形、雨、雪等による落石、崩壊防止、落ち葉等の側溝大量堆積、除雪等の維持修繕等、管理者は財政的にも苦慮している状況にある。
不便な個所の改良、交通安全上からも修繕等に積極的に投資をしていただきたい。
@ 緊急車の車両進入困難個所の改修について
上記のとおり、各自治体は、道路の維持管理に苦慮している中で、財政的、地形的等の課題があるが、緊急時、特に救急車の進入困難な場所が多く、また、方向転換もできない場所も多くある。
 現在の救急車は、高規格で車幅、車高が大きくなっており、事例によっては、当該要請者の家の相当手前までしか進入できないところもある。また、緊急車は、時間、悪天候等に関わらず出動することがあり、安全運転を心がけているが、時には業務が困難になる場合も想定される。  
必要な道路の拡幅や、待避所等のきめ細かな整備は是非必要である。
A 県・町村道のトンネルは、整備年度も古く、幅員が狭く、普通車の相互通行でも困難なトンネルが多い。まして歩道は整備されていないトンネルが多い。
また、トンネル内の舗装面は荒れたところが多い。
 トンネルの拡幅等は簡単ではないと思いますが、できる限りの改善を望みます。
B 山間地は、公共交通機関のバス等の運行がないところが多く、必然自家用車等の利用が多いことから、町村道等、生活道路である地方の道路関係の整備は必要である。
また、山間地は、地震等の災害において土砂崩れ等の被害の危険性も高いが、道路は住民の避難や、避難生活上重要な役割を果たすことになります。道路整備及び沿線の落石防止、土砂崩落防止工事等の安全対策も重要であるので、これら危険個所等の確認・調査を含め細かく行い、できる限りの整備をお願いしたい。

2. その他 
・人々のマナーの問題ではあるが、道路上、特にパーキング等にごみを捨てる人が多く、不快な感じは誰しもが気になるところである。清掃等に、より良い方策の検討を前向きに取り組んで欲しいと思います。
・融雪剤散布は、交通安全上は有効と思われるが、環境に対して継続的に散布することは、河川や動植物等の将来に影響を与えないか心配である。影響の少ない散布剤の開発の研究をできないものかと思っています。