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氏 名所 属
太田 貞次 独立行政法人 高松工業高等専門学校 建設環境工学科 教授

■ご意見の内容

・道路を作れば、必ず維持管理が必要になる。安全を考えると、一般道路でも高規格道路より維持管理水準を下げることはできない。この点を踏まえた計画であるべき。
・国土交通省の対応を見ていると計画ありきになっているのではと感じる。
・四国の8の字ネットワークのうち、未整備の西南地域等は一般国道でつなぐことで支障がないのではと思われる。
・10分の時間を短縮するのに、投資額が大きくなるのであれば、効率的とは言えない。
・全国一律のサービス水準を維持するのは、現在の状況下では無理がある。
・香川県内の橋梁を調査しているが、国土交通省の橋梁は台帳もあり管理されているのに対して、県や市の橋梁は遅れており全くといってもよいほど整備されていない。管理者によって大きな差が生じている。
・国道以外でも重要な路線はあるが、対策が施されずに供用されている例が見受けられる。
・執行予算の出所の違いによって、対策の必要度と関係なく補修工事が行われている例が見受けられる。
・一例として、耐震補強工事が実施されている橋梁で橋梁本体が蝕まれている事例がある。耐震補強する以前に、本体を補修する必要性があるのでは。
・県や市町村レベルの橋梁は予算がないため、対応が遅れている。
・道路管理者別に維持管理が計画されており、管理者間で予算にバラツキがあるため、重要な橋梁でも対策が行われていないケースが見受けられる。
・耐震補強についても、連結装置が必要ないと思われる橋に設置するなど、補強の必要性に疑問を感じるものもある。
・管理者が多くの橋を見て回ることは難しいため、「橋守(はしもり)」の仕組みを作り、地域の人にチェックすべきポイントを教えておき、身近な橋について日常見てもらい、変状等があれば連絡してもらう方法もある。
・システム化すると、そのシステムを維持すること自体が大変になるため、簡単にできる方法で進めることが望ましい。
・橋梁の機能面に支障が出て架け替えになることはあっても、耐力の限界が来て架け替えになっていることはほとんどないと思われ、損傷状況や寿命に対してどういう状況にあるか十分判っていないのでは。アセットマネジメントは予防保全の考えであり、その前提となる健全度曲線の信頼性が十分あるのか疑問がある。全国一律では使えないのでは。