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氏 名所 属
小笠原 日出男 三菱東京UFJ銀行 名誉顧問

■ご意見の内容

1.道路整備について、西洋の歴史に比べれば日本の歴史は浅い。少子高齢化や財政制約等の問題を考えれば、今、道路に投資すべき。100年の計といった長期的視点に立った投資が必要。

2.将来どんな道路を残すのか議論が必要。道州制の検討がなされているが、道州制を確立する上で必要な道路ネットワークは何かというのも1つの視点としてあり得る。

3. グローバルな時代を迎え、日本人の強みは「ものづくり」。ものづくりのメッカとしての地位を持続するためにも、物流の効率化(空港、港湾、道路の連携)が不可欠。また、万博やトヨタによって中部に対する世界の注目が集まっている。世界に対し中部のイメージを固めるのが今。

4.高齢ドライバーの増加も予測される。ブレーキを踏むタイミング等も若年ドライバーと比較して異なってくるであろうから、高齢ドライバーでも安心・安全に利用できる道路整備も必要。

5.欧米では道路投資に占める維持管理費が50%程度となっている。日本においても道路投資が減少傾向となっても維持管理費は増加傾向となるのではないか。更新時代を迎え、維持管理しやすい道路、道路の長寿命化が重要な方向となる。

6.今後の道路整備においては、事業等の優先順位付けが必要となるが、明確なメッセージが不可欠。防災、産業、施設の効率的活用など、道路整備の目指すもの(コンセプト)を国民に対して分かりやすく提示していかなければならない。

7.美しい道路、歩いていて楽しい道路を整備すべき。そのためには景観への配慮等も重要。中部では産業観光が発展しているが、町並み景観の充実も観光の発展には不可欠。この点で道路の果たす責任は大きい。