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氏 名所 属
奥井 義昭 埼玉大学大学院 理工学研究科 助教授

■ご意見の内容

■コストの削減について
・旧道路公団等で行ったコスト縮減への取り組みが直轄事業になり若干後退したように感じます。一つには、橋梁などの専門性が必要な構造物に対して、コスト縮減の取り組みを国土交通省内で専門的に検討できる、横断的な組織がないと結局のところ技術的な進展がなかなか進まないように感じます。この点に関して、各対象の構造物ごとに専門的にコスト縮減を検討できる組織が必要に感じます。

■優先度が高い課題
・大都市圏の環状道路の整備および地方における生活道路の整備双方とも重要と考えます。大都市圏においては依然として交通渋滞がひどく、特に埼玉では環状道路の整備が急務と考えます。一方、地方において救急車等の緊急車両を冬季などで天候が良くないときにでも確保する必要があり、そのため、ある程度高規格の生活道路(悪天時でも十分に利用可能なもの)の整備と維持が必要と考えます。そのためには、地方においては有料道路の無料化などを積極的にすすめるべきかと思います。

■道路政策全般
・道路の関連施設、特に橋梁等の設計法に関して国際化への対応に配慮すべきのように思います。具体的には、現行の道路橋示方書ですが、性能照査型ということになっていますが、中身は許容応力度設計法で、先進国で未だに許容応力度設計法を使用している国は日本だけとなっています。限界状態設計法へ移行することで、コストの縮減が見込めますし、国内のゼネコンやコンサルタントにも国際的な競争に打ち勝つためのよい練習になるかと思います。道路政策は国内のみに目がいくように思いますが、建設業界の国際化を促進する政策もあってよいのではないでしょうか?