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氏 名所 属
坂本 栄 常陽新聞新社 社長

■ご意見の内容

○近年、道路行政は財源関係で語られている事が多いが、道路整備は商業ビジネスと同様な考え方でなすべきものではなく、特に高速道路は経済性(整備コストなど)だけで議論すべきものではない。

○道路は地域の発展の可能性を広げるもので、かつ、活性化のためのインフラとなっており、民間経済と同じような視点で議論をしていてはいけない。

○しかし、無駄な投資をして良いと言う訳ではないので経済性の議論も必要であり、今まで行ってきた財源の議論は無駄ではない。

○茨城県内の高速道路計画としては、北関東自動車道、圏央道などがあって恵まれている。圏央道は今年の3月にわずか12kmしか開通していないのに、工場進出が実現し、住む人も増え、商業施設の立地や観光客も増加するなど、効果があった。

○首都圏の都市づくりにおいて、環状道路の整備は明らかに遅れたと言わざるを得ない。環状道路があると道路の利用形態が全く変わる。ワシントンDCでは都心部は業務系で周りに住居系の街づくりがなされ、環状道路も整備され、理想的な都市づくりがなされている。

○首都圏全体の防災の観点からも分散型の都市づくりが必要であり、その一環として環状道路は必要である。

○高速道路の整備で問題になるのは、自治体が整備するアクセス道路で、整備時期等の整合を図らないと、利便性が上がらない。

○高速道路の整備は4車線以上でなければ、本来の目的の使い方にならない。暫定2車線整備している高速道路は、早々に4車線以上にすべきである。

○日本では、高速道路で事故が発生すると非常に使い勝手の悪い道路となってしまうが、これは事故が起きる事を前提とした道路整備をしていないからである。

○茨城県では、茨城空港(百里空港)の整備を進めているが、現状では茨城空港を生かす道路ネットワークになっていない。

○成田空港をハブ空港として強化するためには、連携する道路ネットワークと周辺空港となる茨城空港のバックアップが必要。(成田で国際便から降り、羽田で国内便へ乗り換えているが、時間距離的では変わらない茨城空港でも乗り換え利用してもらうと良い)

○土浦市などの旧中心市街地が、周辺の新興都市のように発展しないのは、駐車場不足の問題がある。旧国鉄時代に駅を中心として形成された地方都市の市街地は、新たに駐車場を整備するのは困難で、車社会となった現代においては、駐車場整備を商業地開発の最初に考えないと、お客を呼ぶ事が出来ない。

○荒廃した商店街は、商店街として活性化を図るよりも利用目的を変えて住宅地にして、同時に病院や図書館等の生活関連施設の整備を図った方が、バランスの取れた街づくりになる。(郊外系の商業施設開発と駅前系住宅地開発の併存)