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氏 名所 属
清水 則一 山口大学大学院 理工学研究科 教授

■ご意見の内容

 ひとことで「道路」といっても、地域によって捉え方が異なるのではないか。都市部では道路は十分でありこれ以上必要ないという感覚が一般的かもしれないが、地方では便利な生活を送るためには、まだまだ必要と感じていることが多い。都市部も含めて、地域によって要望、必要性が違うので全国で一括した政策を取るのは難しいかもしれない。道路の利便性や機能において地理上の格差をなくし、各地域の展望に合わせた政策をとることを期待する。

 一般に見れば、同じ「道路」であっても事業主体が異なると、ちぐはぐな建設・管理をしている感が否めない。関係機関(異なる省庁、自治体など)が連携して、国として一貫性のある政策、計画を立ててほしい。

 「道路」における付加価値を十分に検討、また、国民に説明していないのではないか。単に、安全に通行できるというだけでなく、快適性(走りやすさ、景観など)を価値として取り込めないか。現在は、「与えられた必要機能に対して建設費を最小にする」考え方だが、「与えられた建設費で『機能+付加価値』を最大化する」考えがあってもよいと思う。一般消費者は、対象によってそのような考え方を持つ(例として、テレビを購入するとき、単に見ることができるというだけでなく、薄型、デジタル対応など付加価値を評価する。場合によっては高価でも納得する)ことがあり、公共工事でもそのような考え方を持ってもよいのではないか。明治から昭和の初期にかけて建設された構造物は意匠などに工夫があり、それが人々の誇りになっていたように思う。

 その他
  よい景観のポイントを楽しめるようにしてほしい。
  自動車の変化にともない将来を見据えた道路整備、走路整備(ITS)を進めてほしい。
  意見は同じ土木分野の人たちだけではなく幅広く聞いてほしい。