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氏 名所 属
重山 陽一郎 高知工科大学 社会システム工学科 准教授

■ご意見の内容

 私は景観デザインが専門ですが、最近新しくできた道路で、良い道路ができたと思うことは少ない。高速道路でも、前例のすばらしい道路はたくさんあるが、最近の道路は(景観の面で)劣っていると思われる。やればできるはずができていない。極端にお金がかかるものでなく、工夫をすればきれいな構造物ができるのではないか。例えば、コンクリート擁壁の天端の水勾配を工夫すれば、見える側に水垢が付かないようにできると思う。筆山トンネル付近の、新しいコンクリート擁壁の汚れも気になる。今、工事中の河ノ瀬交差点でも、雨じまいができているとは思わない。支承の周りや、伸縮目地から雨が落ちて橋台が汚れる(カビが生える等)のも時間の問題。小さな事の積み重ねや、技術的な蓄積ができていないと思われる。技術者の教育か、専門科へのお願いも大切なのではないか。それなりの規模のプロジェクトがある時は、大学から出向いて打ち合わせをするなど工夫すると、すべてが少しずつ良くなると思う。数十万円程度の改善でできることもあるのでは。 無駄を誰がどう判断するかが肝心だと思う。コストベネフィットに質の問題を入れるのは難しいが、コスト縮減に話が進みがちだとも思う。最低限のレベルの質を保つようにルール化すればどうか。例えば、強度や出来形の基準の様に、景観的な基準を作る。数値で表すのは難しいが、事例の積み重ね等はできると思う。又、須崎ICで降りて大月町に行く途中で、高架橋の下をはしっているときに気づいたことが、陸上部の高架橋のデザインはきれいだが、水上部は積み木細工みたいで工夫がないと思う。安くできる事も分かるし、水上で現場打ちが難しいのも分かるが、一般の人には分からない。同じ構造が連続する方が、きれいな場所もあるので、同じ構造に見える様に努力するべき部分もある。それなら、陸上部も水上部の様な構造にしてもいいのでは。コスト削減の場所が肝心で、工夫に必要なお金はかけてもいいのではないかと思う。 年度末によく行う、街渠や縁石の取り替え等で、必要ないと思う場所などがある。 地域によっても違うと思うが、地元が一生懸命に地域を盛り上げている所を応援する(高知だと梼原や馬路等)。また、観光客の多い空港から四万十川へのルートに力を入れる。時間短縮は大事だが、観光的に気持ちのいい路線は長い方がいいこともある。時間短縮することにより景色が見えない等、気持ち良さを落とすのは良くない。切り土・盛り土が目立つしトンネルも多い。急ぐ人には高速道路を通ってもらい、一般道をきれいにして、各地域の魅力が満喫でき、ゆっくり時間をかけて行こうと思うような道路になればいい。県や市役所はお金がないからあきらめムードなので、土佐国道事務所に対する期待は大きい。 意見を聞くのは良い事です。最近は国民・住民に寄り過ぎているのではないか。行政として、強いリーダーシップがあってもいいのではないか。 無駄かどうか決めるのは、道路の必要性をどうアピールするか知恵をしぼるところですね。