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氏 名所 属
鈴木 譲 八雲観光協会 会長

■ご意見の内容

・事業の立ち上げ前を含め、事業の進捗ごとに必要性を評価することは大事。
・道路の建設・管理にかかるコスト縮減が必要。社会としてユーザーの自己責任への分担という意識が高まれば、コスト縮減できる要素は多い。スイスの道路づくりを含めた社会のありかたには見習うべきものがある。

●「現在ある道路をもっと有効に」の視点から
・高規格道路網の整備は必要だが、IC延伸に備えた「街の魅力強化」が必要と考えている。途中のICから利用者をいかに「降ろす」か。その意味で「観光」は重要なポイントであり、いきおい、「寄り道観光」を推奨するシーニックバイウェイの取り組みは非常に意味がある。
・また、「情報」コストが以前より安価になってきていることに注目したい。ICから「降ろす」ための情報を如何に提供するか。発信の仕方をどう工夫するか。地方の魅力的な情報をポイント的にどう発信し提供するか。インターネットの活用でもいいが、情報技術をどう活用するか。地域として、(高速道路の延伸で通過ICとなる前に)どう準備を整えるか。「観光にかけるコスト」の考え方を変えるべきだし、それは道路のコスト縮減にも繋がると考える。
・モノ(ハード)に依存する観光は、破綻した地方都市の例にも顕著な通り、失敗する。それは道路づくりにも同様なことが言えるのではないか。
・都市部であれば、公共交通を活用したり、自転車利用を推進したりすることで、中心市街部への乗り入れを制約するなどの取り組みは非常に重要である。このような比較的安価でインパクトのある行動は「現在あるものの有効活用」で充分可能と考える。

●「優先度が高い」の視点から
・異常気象の頻度が高くなっている昨今、災害・重大事故などへの備えとしての道路整備が急がれる。例えば国道5号に見られるような主要幹線道路の狭隘・老朽橋梁のケアは大丈夫だろうか。災害への備えについて、一般家庭へのPRはよくあるが、道路ではどうか。
・これまでのような車優先の道路づくりよりも、「ひと」に目を向けるべき。自転車利用の促進は環境対策上も必要。
・先に述べたが、観光や道路施策を、ハードからソフトへ転換すること。カーナビ情報の充実などはそのために有効な取り組みの一つと言える。