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氏 名所 属
高堂 匠美 特定非営利活動法人 北海道振興機構 事務局長

■ご意見の内容

NPO法人北海道振興機構は、北海道の自立と地域経済の活性化を図ることを目的として、平成16年3月に設立されました。当NPO法人は、行政でも個人でもない中間の立場から、様々なニーズを拾い上げ、北海道の自立につながる取り組みを応援しようと活動をしております。
過去に帯広、札幌において、それぞれ「物流」や「高速道路の活用」といった道路をテーマとしたセミナーを開催致しました。これらのセミナーの開催に至った経緯はやはり、道路の整備、活用に対するニーズがあったからに他なりません。

【優先すべきこと】
産業面では、今後、地球規模での加速度的な温暖化の影響によって、食料生産基地としての北海道の役割は益々重要なものとなり、生産地と消費地を結ぶ、機能性の高い道路ネットワークの構築を急がなければならないこととなります。
 また人々の生活面では、自然環境の厳しさから災害に弱い道路が多いこと、深刻な地方の医療過疎の現状など、北海道には安心して生活できない地域が増えてきており、高齢化社会である今日、地方の人口の過疎化は、ますます拍車がかかることとなります。
しかしながら、現在の北海道における高速道路、高規格道路、地域ネットワーク道路の整備の実態は、本州などに比べると著しく遅れ、まさに地域間格差の象徴ともいえる状態です。広大な北海道においては、冬に時として命がけで越えなければならない峠があります。険しい山々のため、時間をかけて大きく迂回しなければならない道路があります。
よって、経済を支える物流の根幹を成す機能的な道路ネットワークの整備の遅れ、それに伴う人口の流失は、結果として地方の経済を疲弊させ、ひいては北海道経済の活性化を阻害している、ひとつの大きな要因となっていると言えます。「真に必要な道路」とは、中央においても地方においても、そこで安心して生活できるための道路であると考えます。