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氏 名所 属
建部 英博 愛知工業大学(土木工学教室) 教授

■ご意見の内容

○これまでの道路政策に関しての改善点
 ・今後、少子化で人口が減少していく中、今までのような大規模な「背骨を作って肋骨を作っていく」という、高規格14,000km計画は必要はないのではないか。小規模でも、災害が起こる前に、道路の対策を講じることに、先行投資していくことが必要と考える。

○道路政策の効率化を行うにあたり重視すべき点
 ・環境を考慮しかつトータル的にコスト削減となるような検討を、国・県・市町村が連携を取りながら積極的に進めていくこと。
  (例えば保水効果があるため側溝も不要であり、夏に5℃も温度が下がるという「保水性透水性舗装」などの積極的採用)

○道路に関して無駄と感じること
 ・高規格道路の設計速度は現実の規制最高速度より20km程度高くされており、そのために余裕のある縦断勾配・カーブの半径、橋脚の高さ等の施工費用分が無駄である。
 ・グリーンロードの速度規制を40kmから60kmにすることにより事故が減少したように、過剰な速度規制は無駄である。

○優先度が高い又は低い課題への対応
 (優先度が高い課題) 
 ・災害時に迂回路ができる道路整備・ネットワーク作りが必要。高規格でなくても構わないが、各市町村ごとにあると望ましい。多すぎて困ることはないと思われる。

○その他道路政策全般に関しての意見、要望
 ・今後減少の一途をたどる日本の人口を見据えて、今までの大規模道路中心の政策とは異なる身近な生活道路政策が必要である。

○その他
 ・建設事業に携わる「土木技術屋」を志望する学生が減少している。社会資本整備や災害復旧時等に「土木技術屋」が多大な活躍をしていることを広く社会にPRしていく必要がある。