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氏 名所 属
田仲 正一 茨城県ウォーキング協会 会長

■ご意見の内容

○厚生労働省では、高齢化社会に向け生活習慣病予防のため中高年の健康づくりで運動することをすすめているが、特にウォーキングを推進している。
○今後はウォーキング活動者を含めて高齢者が多くなってくる。高齢者はちょっとした段差でつまづいてしまう。また、車イス社会との共生のためにも段差のない安全・安心な歩行空間が必要である。また、弱視者用の音誘導なども広く整備すべきである。
○日本の道路整備は、今まで車優先で進められてきたが、案内標識や休憩施設など、もっと歩行者に目を向けた道づくりが必要である。
○安全・安心の観点で道づくりを進める上で、最も大切なのは歩道と車道の確実な分離であり、自転車道が確保できればベストである。歩車道の境を緑地帯にするのは非常に良い方法であり、歩道の整備と同時に緑の整備も進めると、ゆとりある歩行空間となる。
○旧市街地では歩道の無い道が多い。有名な観光地でも周辺の道路で歩道の連続性が無いため、歩行回遊しづらい場所が多々あるが、こういうところは観光地と連携して歩道整備を進めると街おこしにもなって良い。
○歩道の整備に合わせてトイレの整備も必要である。だれでも利用できるトイレ施設が4〜5km毎にあると安心できる歩道となり賑わいをもたらす。
○イギリスではナショナルトレイルやフットパスなどのウォーキングルートが全土に広がっており、コッツウォルズ地方はイギリスで一番美しいところで、歩く人たちとっては快適なウォーキングルートが整備されているといわれている。日本でも「長距離自然歩道」や「美しい日本の歩きたくなるみち500選」がある。茨城県では「いばらきヘルスロード(現在143コース)」などが指定されて健常者も障害者もいっしょに健康目的に歩く活動をしているが、これらを基点に、だれでもが気軽に歩ける安全・安心な道づくりが日本全土に整備されたら素晴らしいことである。
○交通弱者である子供と高齢者にとって、安全な道づくりが必要であり、安全・安心な道ができれば歩く人も増えて、道に関心を持つ人も増える。
○良い道があると、皆歩きたくなるものである。ゆとりある歩きやすい道は、美しい日本作りにもなると思う。世界に誇れる道づくりをしていただきたい。