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氏 名所 属
竹中 ナミ 社会福祉法人 プロップ・ステーション 理事長

■ご意見の内容

○はじめに(自由意見)
 ・道路は人の生活と移動にはなくてはならないもので、ものすごく大切なものと思っている。
 ・これ以上、道路はいらないとか、公共事業は不要(あるいは「悪」)と言う人がいるが、極論だと思う。従来の道路ではなく、どんな道路が必要で、どんな移動手段が求められるのか、といった議論をすべきである。

○これまでの道路政策に関して
改善すべき点:
 ・公共事業として必要とされる中身が変わってきていると思うので、いろんなユーザーから見たいろんなニーズを如何にとらえるか考えていくべき。役所の仕事は今まで公平が原則であったが、これからは如何に必要とされるところに投資するかである。道路も質の時代になっており、必要なところに税を投入すれば国民も納得できるはず。

道路に関して無駄と感じること:
 ・通行量と道路の規格が大きく乖離した高速道を走った時。
その理由:
 ・通行量と地域の特性に見合った道路にしたほうが良い。

○今後の道路政策において
重視するべき点:
 ・私の視点はユニバーサル社会であり、子どもも、高齢者もチャレンジド(障害のある人)も、日本語が不自由な人も、みんなが適切な情報を得られ、安心・安全に使えるように、また使いやすいように整備し、道路のユニバーサル化を実現してほしい。

○国民から幅広く意見を聞くときの留意点は
 ・高齢者や女性が、道路にもっと関心を持てるような取り組みをしてほしい。関心を持ってもらって、そこから話は始まるのではないか。ベビーカーを押す若い母親と車いすに乗っている人は、有る意味、同じニーズのあるユーザーだ、といった視点で意見交換ができたら良いと思う。少子高齢時代だからこそ安全とユニバーサル化が重要であり、一人でもたくさんの人に、道路の問題がひと事ではないことを認識してもらう必要がある。

○道路政策全般に対するご意見、ご要望
 ・国土交通省が取り組んでいる自律移動支援プロジェクトについて、お年寄りや車いすの人が1人で歩ける道かどうか事前にわかるように、例えば坂道の度合いを示すアイコン(案内表示)などを設けるべき。そしてその情報が携帯電話などでも得ることが出来、しかも、どこに行ってもどの機種でも同じアイコン(案内表示)となるように、統一したルールのもとにスタンダードを設けるべき。また、坂道の度合いを色分けや角度表示するなどして地図に落とせば、車いすやお年寄りだけでなく小さい子供や荷物を担った人にも便利である。歩行者ナビとして距離だけでなく、斜度も含めた歩道の状態の情報を提供すべき。
 ・ETCの普及など、やるなら一気にやるべき。その方が安くなる。
 ・先日の新潟県中越沖地震の死者はほとんどが高齢者であった。阪神・淡路大震災のときも犠牲者の多く(6割以上)は高齢者であった。10年たっても状況は全く変わっていない。そういうところを国民的課題として考えなければならない。
 ・音楽ホールや美術館などの施設(ハコモノ)を全ての町で持つ、といった発想ではなく、広域的にカバーし合えるように道路を整備すべき。病院も減ってきており、それをカバーできるのは道路であり非常に重要である。
 ・危機管理も重要であり、今後は道路だけではなく、ドクターヘリやドクターシップとの連携など総合的な視点での施策を考えるべき。
 ・今の日本は何でも「官がやるべき」という意識が強くなりすぎて、その結果、地域力が低下している。本来地域というのは、みんなで助け合いながらつくってきたものであり、地域力を高めるためには、助け合う意識と地域住民のアイディアが重要である。官頼りで、地域力の低下したところは生き残って行けない時代が訪れつつある、と感じている。