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氏 名所 属
寺田 幸博 独立行政法人 高知工業高等専門学校 建設システム工学科 教授

■ご意見の内容

・ 道路施策において、「環境」、「防災」、「自然保護」の3つの視点が重要である。ここでの「環境」は、都市部における騒音、振動、大気汚染などに対する対策を意味し、現状ではかなりな取り組みがなされていると認識している。「防災」、「自然保護」の観点が、今後の課題である。
・ 「防災」について高知県下の状況を見れば、海岸線沿いの東西の道路の整備は進んでいるが、津波災害時の避難経路としての山に向けた北方向の道路がほとんど整備されていない。
・ 津波発生時の弱者(高齢者など)の救済には、移動手段としての車などの利用も考えねばならず、山側に逃げる道路として、短くても良いので広い道路の整備が急がれる。
・ 「自然保護」については、四万十市で進めている「日本風景街道」のような取り組みが評価できる。ここで自然保護と開発投資の融合された例示ができれば、四万十川は全国に知られたブランドであり、「自然保護」に視点を置いた道路開発の良い見本となるのではないか。是非、全国の範となるような良い事業を進めてほしい。
・ 「道の駅」は、とても良い施策と感じている。この例では、道路が出来、そこにこれまで無かった地域の営みが発生し、活性化がなされていく。このように、道路があれば人間の智慧がそれをベースとして新しい価値を自然に創造していくことになる。この意味で、道路整備という概念に「無駄」という言葉はそぐわないと考えている。
・ 「道の駅」のように大規模なものに加えて、パーキングだけの休息設備の整備のように、こまめな利用者の利便性を高める努力を期待したい。
・ 道路施策については、インターネットなどを利用して広範な意見聴取をおこなう必要がある。