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氏 名所 属
徳吉 英一郎 特定非営利活動法人 遠野山・里・暮らしネットワーク 理事

■ご意見の内容

・日本においてはアメリカの人口流動が20年遅れでおこっているという話もある。そういったなかで、国内でも大都市から地方(田舎)へ移住するケースが(団塊の世代に限らず)今後考えられる。日本の山と清流を自然資源とする中山間地域への移住は、充分魅力的なものになりうる。そのなかで、(NPO法人山里ネットのグリーンツーリズムの活動とは別に)株式会社アネックスが展開するこのプロジェクト(クイーンズメドウ・カントリーハウスプロジェクト)では馬と一つ屋根で快適に暮らす「平成の曲り家」ともいえる「馬付き住宅」の提供、および馬とともに過ごす長期滞在型の余暇の提案と、安心安全快適な遠野ならではの<食と泊>のサービスの提供ができないか、実証実験を行っている。

・田舎への移住においても、最低限の日常生活を可能にする基盤(電気、水道、道路、病院)等があることが前提となる。

・道路整備においては、高規格道路はもちろんだがその先端の毛細血管にあたる道路(林道や市町村道等)においても、中山間地に適した道路(脇道などは未舗装道路でもよい)として整備をして頂きたい。考え方的には日本風景街道でいう脇道的な道のあり方である。東京のような大都市から地方都市へ、そこから田園風景へ、田園風景から清流の流れる山あいへ、山あいの沢筋のなかに隠れてたたずむ馬付き住宅へ。高速道路から国道へ、やがて県道、市道・町道へ、そして馬道を兼ねた農道、林道へと分け入っていく、そんな道路と景観の変化を舞台とし、旅行者は車に乗って、劇的に変化していく風景に心奪われる時間を過ごす。そのような<風景の変化>が、これからの<道>の豊かさだと考える。