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氏 名所 属
梅原 利之 四国旅客鉄道(株) 会長

■ご意見の内容

・公共投資=悪、土建=悪、無駄という考えは、日本だけである。
・過去から、災害国日本、敗戦国日本をを立て直してきたのは社会資本整備である。
・世間でこういう風に言われていることに対して、国土交通省を始め、自信を失っていると感じている。
・マスコミが国民を間違った方向にリードしていることに対して、反省すべき点は大いに反省する必要はあるが、主張することは正面から主張すべきである。
・自転車の法整備が不備な点とマナーが悪い点は感じるが、これからはもっと自転車を活用すべきである。
・今までの道路行政は車が第一で、人が一番被害を被っているが、これは逆である。
・他の先進国では、一番弱い人が安心・安全・便利に通行できる歩道を最優先に考えて、次に自転車を考えている。オランダ等では自転車専用道路がある。
・日本では歩道のない道路が非常に多くあり、自転車専用道路は例外的にしかない状況下で、一番強い自動車が極めて優遇されており、逆転していることが基本的に間違っている。
・また、自転車は軽車両のため車道を走る必要があるが、事故が増えたために歩道に上げてしまい、歩道上で暴君と化しており、高齢者や身障者が歩道を安心して歩けない状況になっている。
・本来は人を最優先に考えるべきであり、改善してもらいたい。
・経済大国ではあるが、道路の視点で見ると後進国である。
・戦後の始まりは仕方がなかったが、豊かになってもまだ基本の流れから抜け出していない。
・今回を契機に、原点に立ち戻り、弱者から中心に考えていく方向に変えていくべきである。
・高速道路と一般道路についても高速道路優先になっている。手間は掛かるが、一般国道や生活道路を重視すべきである。
・国道と言っても、高知や愛媛の山間部ではひどい状態である。
・歩道の問題では、歩道がないためにお遍路さんは高知や愛媛の方では命がけで歩いている。
・香川は自転車の保有率もマナーの悪さも日本有数。自転車のマナーの悪さ、事故の多さが自動車の事故につながっている。自転車対策の遅れが事故につながっていると感じる。
・香川県から自転車の面白さや健康面を発信して、マナー教育を行うために自転車イベントを開催した。今年も開催して自転車のモデル地区にしたい。また、自転車専用道路を整備するきっかけにしたいと考えている。
・道路と鉄道との連携をすべきである。具体的には鉄道との交差の立体化や駅前における総合交通のあり方など、国土交通省として道路は道路だけで考えず、鉄道を巻き込んで進めるべきである。
・技術的な知恵を絞って、効率化を図ることで安くすることができる。
 力関係で単価を下げるのではなく、知恵で下げることが必要。
・基本的に道路に無駄は感じないが、農道(農林水産省)との棲み分け、行政の縦割りは問題に感じる。
・四国に橋が3本もあり無駄だとか、人が住んでいないところに高速道路が必要ないと言われているが、地方が判っていない論理である。
・道路は人間の血管であり、血管が走っていないと死んでしまうのと同じで、道路網はきちっと整備する必要がある。
・四国の8の字ネットワークは最低限必要である。
・全体の道路網計画を決めた上で、優先度を考える。
・大都市の渋滞解消は、国益として最優先で対応すべき課題である。
・自信を持って国民に理解してもらうよう、過去から道路が国民の安全・安心を守ってきたかをきちっと説明することが大切。
・分かりやすい論理で伝える。
・マスコミ対応が下手と感じる。積極的にマスコミを使って国民に伝えることが必要。
・最近は道路を作るために道路を作る、目的化している傾向が見受けられる。
・地域性、多様性、高齢化、スローライフなどの時代になってきているにも関わらず、道路の作っていく方式が50年変わっていないのでは駄目である。
・歩道は完成してから作ろうとすると大変だが、始めから作っておけば問題ない。
 それでも歩道の整備、自転車専用道路の整備、駐輪場の整備、法整備、マナー教育を行うべきである。
・人に優しい道路行政、弱者に優しい道路行政に切り替えていく。