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氏 名所 属
上田 隆雄 徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 教授

■ご意見の内容

○国は自治体よりも耐震補強技術に関する経験や知識が豊富であると思われる。道路ネットワークを考えれば、国だけではなく、県市町村管理の道路の補強も必要である。限られた予算の中で効率的にこれらの補強を行うため、積極的にノウハウを自治体に提供すべきである。特に優先順位の考え方が重要だと思う。

○道路構造物のアセットマネジメントに関しては、まず構造物の現在の状況がどうなっているか点検するところから始まる。しかし、自治体では点検すらほとんどできていない状況にある。老朽化が進んだ構造物は、耐震に関しても問題の大きい構造物であることが多いため、防災の観点からも点検は取り急ぎ実施すべきと考える。
 維持修繕に関しては、予算が十分確保できていないと考えられる。予算確保へ向けて国民的な合意形成を図るためには、点検結果を正直に公表していくことが早道と考える。
 アセットマネジメントは、古いものを活用し、新しいものを作るのを抑制することになるため、実は環境にもやさしい。そういった側面をうまく打ち出す事により、今までとは違った印象になり、理解され易くなるのではないか。