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氏 名所 属
和田 盛雄 釜石商工会議所 専務理事

■ご意見の内容

私たちが住む岩手県は広大な面積を有し、厳しい自然環境や険しい地形が多いことから、住民の安全な生活や地域間交流・連携や企業においては物流の効率化等が図られにくい状況にある。
特に東北縦貫自動車道等の整備により着実な発展を遂げてきた岩手県内陸部と比べ、沿岸部では高速交通網の整備が大きく立ち遅れている。
釜石地区は地形的な制約により港に向かっての道路が一本のみであり、生活道路と産業道路が混在する状況であることから、現在の国道283号に並行する高規格道路の整備が必要である。
物流の効率化を図るうえで、港湾へのアクセス向上が不可欠であるが、物流基幹ネットワークが未整備の状況にあり、ことに市街地に入ってから港湾までのアクセス道路を整備する必要がある。
次に、近い将来、高い確率で発生するとされる三陸沖・宮城県沖を震源とする地震・津波災害から地域住民の生命と財産を守る取り組みが急がれており、このことについても道路の果たす役割は非常に大きい。
特に沿岸部を走る国道45号については、一本道であるうえ、津波の際に当地域では7箇所もの区間が浸水すると予想されていることから、危機管理や防災上大きな不安があり、釜石山田道路の整備、とりわけ市内新町への接続計画については早急に進める必要がある。
また、災害対策については、高規格幹線道路や国道のみの整備ではなく、県・市町村等地方道の整備と併せ、地域内のネットワーク構築を整備する必要がある。災害対策、医療については、本来、地域による格差が生じてはならない。
市民が安全に安心して生活するためには、高規格幹線道路の整備はもちろんのこと、生活道路となる地方道の整備を進める必要がある。地方道は、道幅が狭く、歩道が未整備の道路もあり、通学時の児童生徒が交通事故に遭遇するなど悲惨な事故が多い状況である。このことから、優先的に未整備となっている地方の生活道路の整備を図る必要がある。また、商店街が面する道路については、歩行者の安全性・快適性に配慮し、各種社会実験をしながら、「賑わい空間の創出」を図るなど、商店街の魅力を高める機能を付加する必要がある。