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氏 名所 属
渡邊 法美 高知工科大学 フロンティア工学コース 教授

■ご意見の内容

私の意見は一般ユーザーと同じだと思うが、道路整備を早くした方が社会的便益が早く発生するにも関わらず工期が長く、供用が遅くなっているところがあるのではないか。
十分な調査や適切な設計をしなければいけないので時間はかかると思うが、暮らしの安心・安全のためにも早期供用することが大切。
街中で新しく道ができたのを見て地方の都市部は便利になったと思う。国道55号などで代替ルートがないのを見ていると、予算が限られていて全ての課題を改善することが無理な現状では、利便性を追求するより安心安全の追求が大切だと思う。
十分な投資ができるのならば利便性を追求するのもいいがそうではない。
水や空気、自然も大切だ。自然環境を守る人を守る道というのは、自然を守る道でもある。守り手の生活を守る、支える道路ネットワークは重要。
道路の事業評価をするときに守り手の安心安全が損なわれていることも含めて経済評価すべきなのかも知れない。
山の守り手、資源の守り手の生活を維持するためにどの程度安全を提供するか。
もう一度、都市部での利便性と、地方の安心安全とのバランスを見直すことが必要だと思う。交通事故対策も改めて重要だと思う。
また、道路行政は地球温暖化対策に真剣に取り組まなければならない。そのためには各機関との連携を上手にとれたらいいと思う。
例えばパークアンドライドなど、CO2を減らすための対策があるが、車を止めて公共交通機関に乗り換えることにメリットがなければ誰も行動に移さない。乗り換えることにより、より便利になるくらいでなくてはならない。そういう意味では利便性をもっと追求していくべきではないか。
地域づくりとは自分たちでつくりあげていくこと。地域の計画を地域の方々と一緒につくっていくことが必要。
お互いに責任をつくり合い、地域の住民が行政に任せきりにならないで、自分たちの問題としてとらえなければならない。そうすればその地域にあったものができ、効果も高い。
行政は「コスト」、「無駄を排する」、「効率的」などの言葉を使い効率を強調しすぎているところがある。効率だけでなく、効果も大事であることを示さなければならない。