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氏 名所 属
渡辺 喜代美 THE Y`S MEN`S CLUB OF TOKACHI

■ご意見の内容

【■道路政策全般及び中期的な計画の作成について】
いつのまにか、私たちの暮らしの中で道が道路になった。自分達が頑張らなくても、そこに「完成された道路があるのが当然!」という生活環境。豊かな生活のシンボルだったアスファルトの道路が日本全国ネットワークされた。特に私達が暮らす十勝・帯広は、生活道路はもちろん、平野に広がる畑と街を繋ぐ農道はどこまでも続く。誰がつくったかわからないデコボコ道路。収穫したじゃがいも満載のトラックが、ポンポンっとじゃがいもを飛び散らして走るようなことはイマドキない。この豊かさに慣れすぎた私たちは、道路はつながっていてあたりまえ、舗装されていてあたりまえ、整備管理されているのがあたりまえだと考えている。自宅前の道路が、いったい何道路であるか認識せずとも、除雪は道路管理者の仕事であると確信している市民が大多数。道の苦情が殺到する昨今、みんなの便利な道が一瞬にして厄介ものになる。家の前にゴミが落ちていても、そこにはソッと拾って片付ける大人の姿は見当たらない。それがイマドキの私達と道路の関係であり、現状である。これでは、国や地方自治体がテレビ・新聞等を通して、道路整備計画を市民に訴えたとしても人々の間から積極的発言が得られるとは考えにくい。
現状を考えてみると,多くの市民がそれぞれの生活圏に広がる道路について、もっと積極的にその特徴を学ばなければ次の道路づくりへは進まないように感じられる。特に北海道に暮らす私達は、自分達の町を語るときに道の歴史抜きには語れない。わずか百数年間で、点から線へ、そして面へと道民を繋ぎ、生活を豊かにした道路政策の現状と未来像は、ひとりひとりの生活者の視点で作り上げていくことが必要である。
 地域で暮らす子どもたちのために、高齢者のために、働く人々のために、そしてまだ見ぬ世界中の人々のために必要な道路を考え、実現するためには何をなすべきか私達一人一人が声を出さなければ、北海道は交通過疎地、交通無法地帯となり自然環境破壊が進み、せっかくの魅力ある北の大地が崩壊してしまう。交通網を整備することは、生活環境はもちろん、自然環境を守ることにも繋がる。

【■優先的に行わなければならないこと】
今、日本の中で国際モデルになるような環境に優しい道路をデザインし、産業構造を支え、美しい地域を開発、創造できる地域が北海道であると考える。
北海道には、全国民がご存知のエゾシカやキタキツネが生息する自然と共生する高速道路が一部開通しているが、全道拠点都市を結ぶにはいたらず、ましてこの道は花の都・東京へも繋がっていない。一日も早く、南は沖縄、北は北海道を結ぶ世界一美しい一本道の実現を願いたい。
 私達は、道・道路について学ぶ場が少ない。子どもの頃から、日本の道についてその社会的意義や効果についてわかりやすく教育していく必要があるのではないだろうか?道路の専門的な知識も必要であるとは思うが、もっと身近な視点からそれぞれが道について話し合えるような社会教育的配慮も必要であると考える。