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氏 名所 属
渡辺 豊 東北大学大学院 工学研究科 准教授

■ご意見の内容

・今後日本は人口の減少、医師の減少により、病院は主要な箇所に集約せざるを得なくなるため、各地域から拠点病院へのアクセスの整備が重要と考える。
・日本の産業設備は、設計寿命が2010年ぐらいにピークを迎える。道路についても同じことが考えられ、維持管理が重要である。
・アメリカでは約10年前に寿命のピークを経験しており、道路行政でも構造物の維持に関連し、アメリカがどのような問題を抱え、それをどのような取組みによって解決・成功したかまたは失敗したか、手法やコスト面などを十分に分析し、応用することが有効である。
・見つけられる劣化部分をすべてその都度補修しようとするとコストが持たない。いかに補修費用を抑えつつ安全性を確保し、道路利用者への説明も可能な維持管理のシナリオを作ることが必要である。
・構造物のリスクを工学的ならびに経営的に評価して、航空機や原子力の分野などリスク管理の厳しい産業での成功・失敗事例等の情報も参考にしながら、維持管理の計画を周到に練っておくことが重要と考える。

※日本学術振興会の産学協力研究委員会として『リスクベース設備管理第180委員会』が平成19年4月に設置され、石油精製、発電、化学工業などの分野を中心に設備保全に高い関心を持つ民間企業及び大学・研究機関が参加し、情報交換ならびに議論を行っている。道路分野からも参加する意義がある。