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氏 名所 属
山岸 栄一 函館市亀田農業協同組合 理事

■ご意見の内容

(1)効率的な道路整備について
 これまでの道路づくりを見ると、計画段階から着手まで10年スパンの期間を要しているように見える。予算の状況等もあるだろうが、環境アセスメントを含め、集中的な実施などにより期間を短縮することが望ましい。必要な時間なのかも知れないが、一市民の視点からは、事業スピードが遅く感じることが多い。
 必要な道路整備は優先順位を明確にし、メリハリをつけて、重要度の高いところから早く事業を進めるべき。
 特に道南の特性として、駒ヶ岳防災に代表されるように、災害時の幹線道路寸断で大迂回を強いられるといった問題は市民生活にとって極めて重要であるが、未だに解消されていない。

(2)優先度が高い道路整備について
 以上のことから、異常気象や地震などによる災害や重大事故等への備えとしての道路整備は優先度が高いと考える。
 (交通量では都会にかなわないような地方部の道路不要論に対し)地方には地方の役割があり、地方の産業基盤がしっかりしているからこそ都市部での豊かで安心できる暮らしがある。地方部が都市部を支えている側面をしっかりと認識すべき。安心・安全な農産物を安定的に届けるための社会資本としての道路整備は決して優先度は低くはない。
 道路特定財源の一般財源化にあたっては、都会の利益を地方部へも適正に配分し、「みんなが公平に暮らしていけるか」という視点でバランスが図られるような道路整備の姿を見据えることが大事である。
 食料自給率の問題で言えば、将来豊かな財産があったとしても、他国からの輸入に頼る体質では輸入先の自給が叶わなくなってきたとき、見放されることになる。最低限度の危機管理は必要。危機に備えるという意味では道路整備も同様なことが言える。
 エネルギー・環境の面からは、今、国としてエネルギーの1割をバイオエタノールでまかなうという大方針を打ち出している様に聞くが、車社会と環境問題は切り離せないことは国としてしっかりと認識しているということ。交通渋滞解消に向けての各種道路整備はCo2削減に貢献する=環境問題に直結することであるので、その観点は強く持つべき。

(3)無駄と感じる道路整備
 特にないが、高規格道路ネットワークはぶつ切りでは無意味。適切な優先順位によって整備が進められるべきと考える。