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矢澤 民樹 信州日報(株) 代表取締役社長・編集局長

■ご意見の内容

 このたびの意見聴取に際し、長野県南部に位置する飯田下伊那地域の15市町村が先ごろ提出した意見を拝見したところ、やはり、当地域では道路整備の要望が今なお強く、とりわけ財源の面で国に寄せる期待が大きいと言うことを改めて感じました。
 近年、地域づくりの方向性を検討した上で、そのために求められる社会基盤としての道路整備の必要性が論じられるようになってきましたが、当地域においては、中京東海圏との幅広い連携・交流の促進が今後の地域づくりを考える上で最も重要な基本路線として広く一般にも認識されており、三遠南信自動車道や国道153号、151号をはじめとする幹線道路の整備に以前からきわめて高い期待が集っています。また地域内部においても、中核都市飯田市などと周辺の山間町村とを結ぶ地方幹線道路について、定住の促進、救急医療、防災(代替路線の確保)など幅広い面から、その整備の一日も早い実現が切実にまたれているところです。
 「東京一極集中の是正と多極分散型国土の形成」という命題は、健全な国土の維持・発展のため、21世紀においても引き続き実現を目指す国家の基本方針であると考えます。平成19年度「道路政策7つのポイント」に挙げられた 「地域の自立と競争力強化」 「安全・安心の確保」「豊かな生活環境の創造」などはいずれも当地域にとって今日的にきわめて重要な課題であり、今後の地域づくりに向けて住民に希望を与えるためにも、スピード感をもって目に見える形で地方における道路行政が展開されることを望みます。
 以下、いくつかの項目について意見を申し述べます。

●重点化を進める上で特に優先度の高い政策
・ 三遠南信自動車道など地域づくりの基本路線を支える根幹となる幹線道路の整備
・ 山間地域の安全・安心を支える防災の向上、災害時に「陸の孤島」となる不安を解消するための代替道路の確保。
● 効率化を徹底的に進める上で重視するべきこと
・ 整備効果、環境への影響を含め、調査とともに住民への事前の説明を十分に行い、その上で決定した事業は集中的投資により早期に完成させる。
・ 三遠南信道の新しい整備方針に見られるような既存道路の有効活用。統一的な規格にこだわらない柔軟性。
・ 行政の縦割りを超える一体的な道路ネットワーク整備(農道も林道も住民から見れば同じ道路)
・ 行政の区割りを超える統一的な方針に基づく線路整備(県境、市町村境を過ぎると未整備という事例がよく見られる)
● その他
・ 既存高速道路のETCによるインターの増設を積極的に。
・ 環境問題への視点と取り組み方針を明確化し、パーク&ライド、自転車活用などを推進する自治体に積極的な支援を。