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氏 名所 属
八木 秀次 高崎経済大学 地域政策学部 教授

■ご意見の内容


○ 国家は、これまでの長い歴史を経て現在に至っているものであり、こうした国家の歴史的連続性を意識し、過去も未来も見ながら行政を行うべき。地域によっては道路はいらないというところもあるし、まだまだ道路が必要というところもある。ただ、無駄な道路を作りすぎているのではないかというマスコミや一部の評論家の見方は、部分を切り取った見方しかしていないように思われる。

○ 道路行政は、短期の収益を上げるといった効率性だけを追求していたのではだめで、これからは道路の福祉的な意味合いも重要だと考える。過疎化が進み、行政が広域化した際に、都市部以外に住む人が病院や他の用事のために都市にアクセスできないのは大きな問題。国民にできるだけ等しい形で利便性を与えるという意味で、道路は別の意味合いを持ち始めるのではないか。

○ 特定財源の使い方として、福祉的な役割を持つものとしての道路の充実や、他の公共交通、例えば弱者にとって不可欠な足になっている赤字路線の鉄道やバスなどを支えるということも一つのあり方として考えてもいいのではないか。

○ 短期の利益を追求する民間のカバーできないもの、長期的な視野で行うべきものなど、官でなければ出来ないことがある。官民の棲み分けが必要であり、これまであまりにも官の部分が大きかったという反省があるかもしれないが、何でも民間に移せばよいという話ではない。