閉じる
氏 名所 属
矢島 寿一 明星大学 理工学部 助教授

■ご意見の内容

1.これまでの道路政策に関して改善点、重視すべき点があるか。
2.道路に関して無駄と感じることがあるか。

 道路政策は税金の無駄使いという風潮がある。
 今の状態で10年間、道路政策を無にしたらどうなってしまうのか?このことを国民に知らせるべき。
 ただし、国民に対して必要であるかの優先順位を考え、必要でないものは行わない。

○地域住民への情報公開
  新規の道路建設に関しては地域住民の立場からすると利便性は誰しもが納得する。しかし、地域環境という側面からすると納得しがたいものがある。今までの道路政策は国民へのPRが不足していた。もっとITやマスメディアを利用し、情報公開、利便性、反利便性を公開すべき。地域住民へのコンセンサスを十分に取る必要がある。
 ・情報公開
 ・リスクマネジメント

○計画段階での情報公開の必要性
 道路政策は十数年のスパンで展開される事業である。全体的な計画段階で国民への情報公開を行い、国民への理解を求める必要がある。
 部分的に開通する道路に関しても将来像をきちんと明示し、無駄のない道路政策を行っているというPRが必要。
 途中で頓挫する道路政策がもっとも無駄である。頓挫しないためにも過去の道路政策の検証、計画性をもった道路政策、途中での検証が必要。

3.道路政策の重点化を図ることが必要であると思うが、優先度の高い(低い)課題への対応は何かあるのか。

○地球環境という視点
  21世紀は環境の時代であり、道路渋滞は負の環境である。渋滞を解消するための政策は当然であるが、道路交通の利便性ももっと考えるべき。
鉄道には鉄道の利点があり、道路には道路の利点がある。道路と鉄道の共存が図れるような道路政策が必要。

○道路維持・管理という視点
  道路は経済活動の動脈であり、これが寸断されることは問題である。今後、道路の維持・管理への技術革新は重要なポイントとなる。
現在、道路構造物の内、橋梁のような点(ポイント)で存在する構造物の維持管理技術は進んでいる。しかしながら、土構造物のような線(面)で存在する構造物の維持管理技術は立ち遅れている。このような線で存在する構造物の維持管理技術の確立が望まれるが難しい問題である。一つの方向として、過去の事例を集積することで面で存在する構造物の維持管理の優先順位はつけられないものか?