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氏 名所 属
米田 孝 十勝バス(株) 統括本部長

■ご意見の内容

【優先的に行うこと】
■冬期対策: 北海道のすべての道路について共通して必要なことは冬の対策です。例えば、冬期間の国道274号日勝峠や広尾町方面への国道では路面凍結のため自家用車両の路外逸脱が多く見られます。このことは公共交通車両においても、危険と背中合わせの中で運行し、事故に繋がるおそれがあるなど非常に危険な環境です。まさに、日勝峠の都市間バスや広尾町方面の市町村間生活路線バスを運行しておりますが、冬は毎日、最終便が到着するまで安心できない状況です。また、高齢化、バリアフリー対応として、低床バス(ノンステップ)、ワンステップバスの導入を図ってきていますが、大雪の際あるいは除雪初動後の道路上の積雪にバスが乗り上げ運行障害が発生することがあります。冬期の安全な除雪を充実させることが必要です。これらのことから、冬の危険で厳しい状況において、安全性、定時性の確保、運行障害の解消のために、路面対策、除雪など冬の対策を確実に行うことが必要です。

■地方バス生活路線の維持対策: 十勝管内においては、銀河線、広尾線、士幌線など鉄道が廃止された沿線市町村では地方バス生活路線の維持が最後の命綱です。国も地方も財政が厳しい中、地方バス生活路線維持対策補助の財源不足による生活路線の減便・廃止に対する交通制約者の不安感が募っています。道路特定財源を一般財源化する前に使途拡大により地方バス路線維持対策補助の財源に充当することで、地方の交通制約者の足が守られ、安全で安心な暮らしを確保することができます。

■公共交通の利用促進対策: 地方バス生活路線を維持するにあたり公共交通の利用を促進することが最大の地方バス生活路線を維持するための対策であり、その公共交通の利用を促進するために地方バス生活路線における幹線と支線との乗り継ぎ、バスと電車、バスとLRT(次世代型路面電車システム)などの乗り継ぎがし易いように、バスターミナル的なバス停の設置などアクセスポイントの整備を推進する必要があります。また、バスレーンの整備、パーク&ライドの駐車場整備、サイクル&ライドの駐輪場の整備など、道路特定財源を一般財源化する前に使途拡大により公共交通の利用促進を図る事業への財源に充当すべきです。

■公共交通網を軸にした町づくり: 高齢化率が高い地方では公共交通が担う役割は重要です。そのため、公共交通機関に関わる施策は、大都市部ではなく、過疎地域や地方都市においてこそ必要です。 公共交通網を軸にしたオムニバスタウンの形成、高齢化への対応、環境への配慮という視点から、道路特定財源を一般財源化する前に使途拡大により公共交通網を軸とした町づくり、道路づくりに取り組む財源に充当する必要があります。

■観光の活性化、観光交通の安全性確保: 北海道の観点の活性化、観光交通の安全確保のための整備を推進する必要があります。特に、高速ネットワーク整備、冬道の対策、ビューポイントにおいては安全確保のために駐車帯の整備等の財源に充当する必要があります。