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氏 名所 属
吉田 良生 朝日大学 経営学部 教授

■ご意見の内容

1) 一番必要と感じるのは、道路に対する施策の仕方や役割など全て太平洋側を向いているが、これを日本海側への物流に対応するように転換すること。ロシア、中国、韓国など成長率が非常に高く物流もそれに向け変化している。伏木、敦賀の港と岐阜の経済圏を高速で結ぶ道路づくりをやってほしい。
神戸がハブ港湾であったが阪神震災で釜山に移り、それをとり戻すことは難しい状況にある。それを前提に海を中心とした物流に対応することを考えるべき。東海北陸が間もなく全通するが、早く4車線し、中部縦貫も早くやるべき。物流の成長率といった観点では裏日本が遙かに大きい。津軽海峡を通って米国に向かう経路に物流は変わっている。早急にこれに対応した道路整備を進めることが必要。

2) 岐阜県は山国であり、人口減少が著しい。いまでは地域に財政的な負担能力がない状況。若い世代は車で動けるが、残された高齢者は他の集落とのネットワーク確保するような道路を必要としている。高齢化率などで道路の地方負担率を変化させるような仕組みが必要。このままでは、人の生活の場である集落が崩壊する。

3) 岐阜では高齢のドライバーが非常に増加しており、危険な運転をよく見かける状況だ。高齢社会に対応した道づくりが大切。もし公共交通で病院や買い物などができることが保証されれば、免許を返上するお年寄りも多いと思う。
*田舎を走っていて良く感じることだが、例えばセセラギ街道沿いでは、沿道の人家が放棄されほとんど人が住んでいない地区がある。都市生活者が2地域に居住できるような道路整備を行い、地域を支えることができる居住者を確保するような考えも必要。地域を持続可能にする道路行政、都会と農村が共存できる道路行政。
*最近長良川が汚れていると感じる。汚染という意味ではなく、土砂が流れ堆積し川の中に木が生え、流れが狭まる状況が見えることから上流の山が荒れていることを感じる。最近では木材の値段が上がっている。今後、林業が成り立つような道路整備といった視点も必要。

4) 岐阜市内においては、自転車と車や人がうまく棲み分けできていない。
歩道は1人がやっと歩ける程度の幅しか無い。そこに、歩行の中学生や自転車の高校生が殺到し、通勤の車と輻輳して危険な状況となっている。少子化が進む一方で高齢者に大きな比率の税金が使われていると言われているが、道路についても道路財源を自動車と人にどのくらいの比率で使っているのか?この適正な割合を解りやすい計算でしめすと、説得力があるのではないか。

5) 都市の道路を車で使うのではなく公共交通優先に使う使い方に変えるべき。シンガポールの課金システムなど、日本でもこういったシステムによる改善策を導入する時。

6) ETCはクレジットカードから電子マネー(プリペイド)にする方が良い。