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氏 名所 属
吉本 隆一 (社)日本ロジスティクスシステム協会 JILS総合研究所 副所長

■ご意見の内容

【以下については、私的見解として発言されたもの】

◇これまでの道路施策について
・高速道路の整備、大都市部環状道路整備は進展してきた。

◇道路政策における効率化に関して無駄と感じる点
・道路整備特別会計の見直しでの目的外利用による無駄の発生の可能性あり。
・地方都市での右折レーンのない交差点や橋等ボトルネックでの渋滞慢性化箇所は重点整備を。他方で工事渋滞はもう少し配慮を。
・実用化の可能性が少ない社会実験を繰り返し行っているものがあるではないか。
・片側一車線の高速道路では追い越し不能、円滑性阻害が起こり非効率。
・道路整備の効率だけを追わず、その社会経済的負荷を含めた効率を考えるべき。
・大都市部の平均速度向上の効果は小口貨物の巡回輸送にとって絶大な効果
 ( 10q/hで4時間走行距離40q、20q/hで4時間走行距離80q )

◇道路政策の重点化
  渋滞対策は整備の優先度付けには必要だが、整備の必要性は別の視点が必要
・台数に対する渋滞対策ではなく経済効果、経済価値の重視
 ( トラック1台でも数千万円、数億円の商品輸送を行っている )
・ネットワークの重視、一部ボトルネックがネットワーク全体を制約混載した1台の10トントラックが一部ボトルネックにより何十万人に影響
 ( 10トン車→大手小売の商品センター→コンビニエンスストア )
 (100gの飲み物で10トンだと10万個分)
・大都市部環状道路網整備
・国際コンテナ走行ネットワークの確保
・高速道路上のダブル、トリプルトレーラー走行等効率輸送やノード施設(日帰り勤務可能となる運転手が交代可能な場所)の整備(労働力不足対応)
・都市内荷捌き施設整備、都市高速高架下の有効活用

◇国民への意見募集に対し留意すべき点
・過去のパブリックインボルブメントでは、物流、貨物交通への意見等が少なかったのでは。生活者の意見は大切だが、生活に身近な要望だけに終始することが多い。生活を支えている社会の仕組みや仕事で関与している特に農水産物の流通や製造分野の産業活動(食品の生産もあれば、乗用車の生産もある)と、それに必要な流通や物流の活動に関する関心は非常に低い。
・物流は裏方として無視されがちであるが、生活・産業活動を支える縁の下の力持ちであり、生活・産業にとって必要なソフト・ハードインフラ整備には専門的・客観的知見をもって対応して欲しい。

◇道路政策全般に関する意見等
・ニーズの多様性、細かい改良整備の積重ねが不可欠
・ミクロ的観点 : 物流施設、生産拠点等のアクセス道路、大型車走行不能道路、大都市部駐停車対策、沿道環境対策
・準ミクロ観点 : 土地利用と街路との不整合(行政境等における変形した土地利用状況がある)

全国、国際(空港・港湾)・国内連携のネットワークの視点

フットルース化した空港・港湾へのランダムネットワークの視点