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氏 名所 属
横山 葵 NPO法人人と自然とまちづくりと 理事長

■ご意見の内容

○道路政策の現状
【改善点】
・改善点
 ・住民との協働には、土木と合意形成の専門知識を持った調整役が必要
・その理由
 ・中立的な立場での調整役の存在は、当事者同士では、対立してしまう行政、住民の意見を、立場の違いによる意見の違いの共有化を図り、相互理解を深め、計画を住民や行政の立場で内容をチェックし、経過などを含めて状況の説明をすることで相互の満足度の高い計画や皆にとって愛着の持てる道をつくることが可能。

【無駄と感じること】
・項目
 ・道路本来の目的を理解されないままに作られた誰かの作品としての道路、橋梁。
・その理由
 ・50年100年と時代の価値観に左右されず存在する道路が、道路本来の目的を理解されないまま、全体景観を無視し、華美に一瞬の珍しさを狙った作品としてデザインは、作り手だけの満足度や関係者のその時の満足度だけが高く、高額な費用を使った割には、公共の財産としての満足度は低い。

○今後の道路政策
【何を重点とするべきか】
・重点項目
 ・成熟期にふさわしい、環境にも人の利用にも満足の高い道路作り
・その理由
 ・高度経済成長期に作り続けてきた土木施設は、老朽化が進み、また、時代の道路利用のあり方にも変化が見られ始め、様々な課題が積み上げられている。時代の価値観は、車から人へ、地球環境へと変化している。がむしゃらに作り続けてきた時代の反省を踏まえ、成熟期にふさわしい、人を含めた生態系環境に配慮することが重要である。

【優先度の高い道路施策】
 ・社会リスク軽減のための道作り
・その理由
 ・車利用中心から歩行者利用中心への道路作りの必要性が高くなり、また、 高齢化等道路利用の形態が変わりつつある。また、特に、近畿は、災害(特に南海地震対策)に向けた安全な道づくりの必要性があり老朽化した土木構造物の安全性の確認が必要である。

【優先度の低い道路施策】
 ・環境破壊などを伴う開発型の道路作り
・その理由
 ・既に、作られた道路において、高齢化に伴い、車から歩行者利用などへの道路機能の見直しなど課題が山積みされている中、道路財源の問題だけではなく、今後の地球環境や守られるべき生態系などの保存、景観などを考慮すると優先度は低い。

○国民から幅広く意見を聞く時の留意点
 ・みんなで意見交換できる場を設置する。プロセスを共有する事が大事。コミュニティづくりにもなり、計画に関わることで相互理解が深まれば、愛着のある使いたい道へと変化し、道路を大事に考え後の管理面にもメリットがある。
 ・合意形成には100点はない。最終的には、作り手の責任で作ることを覚悟する必要がある。

○道路政策全般に対するご意見、ご要望
 ・技術力の低下が懸念される。技術の継承を。
 ・人工的な街は疲れる。景観整備だけではダメ。
 ・生活道路については、地域住民は様々な角度で日々考えており、道路作りにおいて重要な役割を担う。きちんとしたキャッチボールが、より良い道作りにつながり、コストの軽減にもなる。
 ・グローバル化に伴い、広域道路の必要性も感じるが、単なる輸送のためだけの広域道路であるならば、道路以外の輸送手段なども考え、交通網全体として役割を見直すことも重要。