U.実施した施策・事業の効果を分析することに注力
成果主義の理念は、宣言した目標の達成度を分析し、次の施策・予算など行政運営に反映させることにある。数値目標を「達成した」、「達成しなかった」という点のみならず、なぜ達成したか・しなかったか、どのような手段が有効なのか、反省すべき点はどのような点であったのか、実施した施策・事業の効果を分析することに注力する。
そして、改善策を検討し、平成16年度の目指す成果の数値目標達成のための取り組みに反映する。
■料金値下げで交通量が増加【規格の高い道路を使う割合】
高速道路に並行する道路が渋滞している箇所など、全国22箇所で料金社会実験を実施。料金値下げで、有料道路の交通量が大幅に増加したことを確認した。
日立市内の常磐自動車道(日立北IC〜日立南太田IC間)では、1ヶ月間、料金を約半額に値下げしたところ、実験区間内の各ICを往来する交通量が平均で約70%増加。それに伴い、1日あたり約60万円の料金割引による収入減で、1日あたり約1,500万円の渋滞緩和効果が得られた。
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図5 実施区間内のIC 間利用交通量の変化
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■ネットワークがつながることで道路全体の利用が促進【規格の高い道路を使う割合】
とぎれた高速道路等を結ぶことが、路線全体の利用促進に資することも確認。
香川県内の四国横断自動車道(高松自動車道)では、高松中央IC〜高松西IC間の開通をもって、平成15年3月30日に全線開通。この開通により、全線にわたり交通量が大幅に増加。区間平均で30%増となり、最大80%増となった区間もあった。
これにより、香川県の規格の高い道路を使う割合は、平成14年度の7.6%が平成15年度に8.8%になり、1.3ポイント増で全国一位の伸び。
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図6 高松自動車道開通(高松中央IC〜高松西IC)後における交通量の変化
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■年末・年度末の路上工事の縮減状況【路上工事時間】
平成15年度の月別の東京23区の路上工事時間を対前年同月比で見ると、12月、3月ともに前年度同月比で約7%の縮減。緊急工事等を除き、路上工事を原則ストップした年末の「路上工事スリム化大作戦」等の効果があった。
しかし、年間を通じてみると都管理道路の道路補修工事が年始から年度末に大幅な増加傾向となっており、結果として1月、2月の路上工事時間を対前年度比1.11倍、1.17倍と押し上げることとなった。
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表4 東京23 区内の月別路上工事時間
| 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 計 |
H14(時間) | 69,021 | 72,207 | 76,122 | 86,220 | 80,568 | 88,947 | 108,729 | 117,441 | 75,663 | 92,187 | 100,395 | 86,238 | 1,053,738 |
H15(時間) | 64,332 | 66,915 | 74,601 | 78,228 | 71,019 | 82,719 | 92,484 | 101,196 | 70,317 | 102,672 | 117,252 | 80,433 | 1,002,168 |
伸率(H15/H14) | 0.93 | 0.93 | 0.98 | 0.91 | 0.88 | 0.93 | 0.85 | 0.86 | 0.93 | | | 0.93 | 0.95 |
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図7 平成15年度の各月別の路上工事時間(東京23区)
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図8 平成14年度と平成15年度の各月別の路上工事時間の増減(東京23区)
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■バイパス開通などの区間で大幅に減少【道路渋滞による損失時間】
渋滞損失時間は、全国で国民1人あたり年間30時間、のべ38.1億人時間となっている。渋滞状況を定常的に計測するモニタリング区間では渋滞損失時間が約3%減少し、目標を達成した。
バイパス開通や交差点立体化などを行った区間は約27%減少したが、他区間は横ばい。渋滞の激しい区間の集中的な対策が効果的である。
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図9 渋滞損失時間の変化
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