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【指標−15】夜間騒音要請限度達成率(最終アウトカム指標)
現在の値61%(直轄国道約8,600kmのうち、約5,200kmにおいて夜間騒音要請限度を達成)
中期的な目標平成19年度までに約72%まで向上
平成15年度の目標約63%

(1)指標の現況値と数値目標

  夜間騒音要請限度達成率については、平成19年度までに、現況値の61%から約72%まで向上することを中期的な目標としている。
  そのため、平成15年度中には63%を目標として、騒音対策の推進を図る。(図15-1)

図15−1 指標の現況値及び数値目標

(2)指標の定義、位置づけ、目標
【指標の定義・位置づけ】
 夜間騒音要請限度達成率は、住居が連担している幹線道路の沿道において、評価対象道路延長に対する夜間騒音要請限度を達成している区間の延長の割合を表したものである。
 ただし、評価対象道路は、環境基準類型指定地域または騒音規制区域いずれかの指定のある区域を通過する直轄国道とする。
 本指標は、都市の騒音に係る生活環境の改善関する道路事業等による成果を表す最終アウトカム指標として採用した。

【指標の示す目標】
 夜間騒音要請限度達成率の増加は、沿道の夜間騒音が要請限度以下である道路の延長が増え、沿道住民の生活における静穏性が高まることを意味する。
(3)指標の示す現状と問題点

○ 全国的に悪い騒音環境
  幹線道路の沿道における騒音の状況は、直轄国道の39%(3,370km)において要請限度(騒音規制法に基づく環境省令で定められた自動車騒音の限度)を超えており、全国的に厳しい状況である。(図15-2)
  これらの夜間の沿道における騒音が要請限度を超えている地域では、安眠を妨害されるなど沿道の生活環境が著しく損なわれる。

都市規模別の夜間要請限度達成延長割合

集計対象:平成14年度道路環境センサス(直轄国道)の、全道路環境センサス区間 4,857区間の総評価延長8,593km
*東京23区及び12政令指定都市をいう
低騒音舗装の敷設、未敷設箇所が混在する場合は、敷設箇所で測定しているとみなし、未敷設部分に+3db補正した。

図15−2 都市規模別の夜間騒音要請限度達成延長割合


(4)課題と講じる施策

○ 道路構造対策による騒音の低減
  自動車の走行速度が速くなると、エンジン音よりも路面とタイヤの作用により生じる「タイヤ騒音」の方がより大きくなることが知られている。
  舗装の表層に空隙のある高機能舗装(排水性舗装)は、タイヤ騒音の発生を抑制し、エンジン音等の騒音も吸収することで、騒音を約3dB低減する効果(交通量が半減することと同等の効果)がある。直轄国道において、夜間騒音要請限度を超過している区間における高機能舗装が敷設されている割合は19%にとどまっており、該当区間において騒音を低減する舗装の敷設を推進する。(図15-3)
  また、道路からの直接音を遮断し、音の回折による騒音の低減を図る遮音壁や、走行する自動車と沿道家屋の間に空間を設けることで騒音の低減を図る環境施設帯は、騒音低減効果が大きい(10dB程度)一方で、設置にあたり道路と沿道の住居・商店等とのアクセスに支障を来すため、沿道の住民、立地している者等と十分な調整を行いながら、対策を推進する。

【関連する施策・事業】 【関連するH15年度の主な施策】
沿道環境改善事業沿道環境改善事業(騒音低減効果のある高機能舗装の敷設環境施設帯の設置等)


騒音対策による沿道環境改善の効果

対策内容効果
騒音低減効果のある高機能舗装発生音の低減約3dB
遮音壁音の回折による低減約10dB
環境施設帯音の距離減衰による低減5〜10dB
高架裏面吸音板高架道路からの反射音の低減2〜5dB

●騒音低減効果のある高機能舗装

<沿道環境改善のイメージ>



[通常舗装]
タイヤ溝と舗装面の間に挟まれた空気の逃げ道がなく、空気圧縮騒音、膨張音が発生する。


[低騒音舗装]
空隙に空気が逃げ、音が生じにくい。
図15−3 騒音対策による沿道環境改善の概要


(5)指標のバックデータ

1)都道府県別の夜間騒音要請限度達成率

区分夜間騒音要請限度達成率評価延長
km
夜間騒音要請限度達成延長
km
全国61%8,5935,223

 

 

 
北海道96% (4)804(1)768(1)
青森県89% (5)42(44)37(43)
秋田県80%(12)77(39)61(35)
岩手県70%(16)110(30)76(25)
山形県73%(14)80(38)58(36)
宮城県58%(25)152(23)87(20)
福島県62%(22)130(27)80(22)
東京都32%(47)230(13)74(27)
神奈川県42%(42)248(12)104(16)
千葉県52%(33)172(20)89(18)
埼玉県41%(43)272(10)113(15)
茨城県38%(45)303(8)114(14)
栃木県56%(26)75(40)42(42)
群馬県38%(44)188(17)72(31)
長野県45%(39)129(28)58(37)
山梨県43%(40)164(22)71(32)
新潟県61%(23)144(24)88(19)
富山県65%(19)50(43)33(45)
石川県76%(13)83(37)63(34)
静岡県70%(15)304(7)212(6)
岐阜県48%(36)404(4)195(7)
愛知県64%(20)339(6)218(5)
三重県51%(35)107(31)55(39)
滋賀県33%(46)220(14)73(29)
京都府52%(32)106(32)56(38)
大阪府64%(21)186(18)119(10)
兵庫県60%(24)420(2)250(3)
福井県45%(38)37(45)17(47)
奈良県53%(31)136(26)72(30)
和歌山県82% (9)56(42)46(41)
鳥取県99% (1)26(47)26(46)
島根県47%(37)176(19)83(21)
岡山県56%(27)206(15)115(12)
広島県52%(34)274(9)141(8)
山口県68%(18)172(21)117(11)
徳島県80%(11)61(41)49(40)
香川県55%(29)117(29)64(33)
愛媛県55%(28)139(25)76(24)
高知県98% (2)36(46)36(44)
福岡県53%(30)410(3)219(4)
佐賀県68%(17)204(16)139(9)
長崎県83% (8)90(36)75(26)
熊本県43%(41)268(11)114(13)
大分県81% (10)90(35)73(28)
宮崎県85% (7)90(34)77(23)
鹿児島県 88% (6)370(5)327(2)
沖縄県96% (3)99(33)95(17)
夜間騒音要請限度達成率は、カッコ内は順位、網掛けは下位10位以内、下線は上位10位以内の都道府県を示す。
評価延長及び夜間騒音要請限度達成延長は、カッコ内は順位、網掛けは上位10位以内の都道府県を示す。
国土交通省調査結果(平成14年度)に基づく。


2)夜間騒音要請限度達成率/都道府県別ベスト10・ワースト10

順位夜間騒音要請限度達成率
1
鳥取県99%
2
高知県98%
3
沖縄県96%
4
北海道96%
5
青森県89%
6
鹿児島県88%
7
宮崎県85%
8
長崎県83%
9
和歌山県82%
10
大分県81%
38
福井県45%
39
長野県45%
40
山梨県43%
41
熊本県43%
42
神奈川県42%
43
埼玉県41%
44
群馬県38%
45
茨城県38%
46
滋賀県33%
47
東京都32%
※表記は単位未満四捨五入のため同値でも順位が異なることがある。
※国土交通省調査結果(平成14年度)に基づく。



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