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【指標−6】隣接する地域の中心の都市間が改良済みの国道で連絡されている割合(中間アウトカム指標)
現在の値72%(522ルート/722ルート)
中期的な目標平成19年度までに約77%まで向上する
平成15年度の目標73%(新たに6ルート改良)

(1)指標の現況値と数値目標

 「隣接する地域の中心の都市*間が改良済みの国道で連絡されている割合」については、平成14年度の72%(全国の地域間交流ルート722ルートのうち、522ルートが改良済)を、平成19年度までに77%とすることを中期的な目標としている。
 平成15年度の目標は、新たに6ルートについて整備を完了し、73%とする。(図6-1)

*群島単位で二次生活圏を形成し、陸路で連絡する隣接二次生活圏の存在しない圏域を除く二次生活圏の中心都市(303都市)を指す。(ただし、北海道については地方生活圏中心都市、首都圏・近畿圏・中部圏については都府県庁所在地。)

図6−1 指標の現況値と数値目標


(2)指標の定義、位置づけ、目標

【指標の定義】
 本指標は、隣接する地域の中心の都市間を結ぶルートのうち、当該ルートを構成する国道が、車道幅員5.5m以上で整備されているルートの割合を表す。(図6-2)

【指標の位置づけ・目標】
 住民生活(通勤、通学、医療、福祉、防災)の利便性の向上、地域経済の活性化等のためには、地域間を結ぶネットワークの整備が重要であり、隣接する地域の中心の都市を結ぶルートである「地域間交流ルート」の重点的な整備が必要である。

図6−2 「都市間を結ぶルート」概念図
(3)指標の示す現状と問題点

1)重要性の高い地域間交流ルート

 地域間交流ルートは、県庁と市町村間を結ぶルート及び、三次医療施設と市町村間を結ぶルートの60%以上、重要港湾物流ODルート(重要港湾の全物流量の95%の物流を対象とした場合にODを持つ地域と重要港湾を結ぶルート)の80%以上が重複しており、重要性が高い。(図6-3)
 未改良区間は地域間交流ルート上に約800km残されているが、地域間交流、高次医療施設などの高度な都市型サービスの広域利用、物流の円滑化、効率化の面から段階的に整備を進めていくことが必要である。

図6−3 重要なルート上の地域間交流ルートの割合

2)中規模・小規模都市間のルートで特に低い確保率

 高次医療施設等の施設は、地域毎に整備することは難しく、三次医療施設分布図を見てもわかるように、人口の少ない地域にはほとんど見られず、地域間での共有が不可欠である。(図6-4)
 また、人口50万人以上の都市間を結ぶルートでは、改良済みのルートは9割以上、人口50万人未満の都市では7割〜8割程度であり、人口の少ない都市間ほど未改良区間が多い。(図6-5)
 このことは、隣接地域との密接な連携が不可欠な中規模、小規模の都市において、走行性、安全性の高い道路が確保されていないことを示す。


図6−4 人口規模別三次医療施設の存在しない地域


図6−5 隣接する都市規模別の地域間交流ルート確保率

(4)課題と講じる施策

○ 効果的、効率的な地域間交流ルートの整備

 人口の少ない地域は、単独で医療、福祉施設等を整備することが困難であり、隣接する地域と共有しながら利便性の向上を進めている。しかし、人口の少ない地域の都市を結ぶルートは狭幅員、急カーブや落石の危険性等が解消されていない未改良区間が多く、隣接する地域との密接な連携が図られないのが現状である。
 これらの課題を解消し、以下に示すサービスを向上させるため、地域間交流ルート上の未改良区間について、効果的、効率的な重点的整備を継続する。

●地域間交流ルートの確保により向上が期待されるサービス
  • 医療水準の高い総合病院へのアクセス性の向上
  • 通勤・通学の圏域の拡大
  • 物流の定時性の確保
  • 高速道路網へのアクセス性の向上
  • 並行する路線のリダンダンシーの確保
  • 急カーブや急勾配、落石の危険性等が解消されることによる通行の安全性の向上
  • 一部の未改良区間がボトルネックとなる渋滞の緩和、解消
  • 隣接する地域との交流の増加
  • 観光地への大型バスの対面通行が可能となることによる観光入り込み客数の増加


【関連する施策・事業】【関連する平成15年度の主な施策】
幹線道路ネットワークの整備
市町村合併等地域の連携や振興に資する道路整備
地域の実情に応じた道路整備
地域間交流ルートの整備
市町村合併支援道路整備事業
ローカルルールの導入
1.5車線的道路整備の導入

整備効果事例:トンネル整備による地域の活性化
トンネルの開通により飯田市との新たな生活圏が生まれ活気が戻る。
(長野県 国道474号 三遠南信道矢筈トンネル整備)

◆上村が飯田市の通勤圏、通学圏となり、Uターン、Iターンが増加
          整備から4年間でUターン、Iターン者が3倍に増加
          小学校での転入が増加
          高校生の飯田市での下宿生活がバス通学となり、経済的、精神的負担が軽減
◆南信濃村から乗り継ぎなしで通院が可能、60分時間短縮、肉体的負担が軽減


図6−6 地域間交流ルートの確保による効果
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