「防災上課題のある市街地の割合」について、東京23区を例にとって順位付けをしたものを右表に示す。
「指標値の高い地区は練馬区、世田谷区、杉並区等の区部西部に見られる。一方、都心区あるいは区部東部の各区においては、比較的指標値が低いことが分かる。
「これらの理由としては、区部西部については、戦後の東京一極集中により人口が劇的に増加し、都市基盤整備が人口増に追いつかなかった市街地を多く抱えていることが考えられる。一方、都心区については、明治・大正期より都市整備が進められており、あるいは、震災・戦災復興による基盤整備が実施されており、一定の水準を保っていることが考えられる。
「首都圏をはじめとする大都市圏においては、戦後の混乱期や高度経済成長期に形成された密集市街地等「20世紀の負の遺産」が今なお残されており、都市基盤整備を通じた防災性の向上が求められている。
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