社会資本整備審議会道路分科会「基本政策部会」のページ

第13回基本政策部会
日 時平成18年1月26日(木)14:00〜16:00
場 所国土交通省 2号館低層棟共用会議室「2A」
部 会 長
森 地   茂
政策研究大学院大学教授
委   員 
  越澤 明
北海道大学大学院教授
委   員 
  残間里江子
(株)キャンディッド・コミュニケーションズ゙代表取締役
委   員 
  白石 真澄
東洋大学助教授
委   員
家田 仁
東京大学大学院教授
委   員
中条 潮
慶應義塾大学教授
委   員
波頭 亮
経営コンサルタント
委   員
リチャード・クー
(株)野村総合研究所主席研究員
委   員
山内 弘隆
一橋大学教授
       (平成18年1月24日現在)
       ○は出席した委員

基本政策部会における今後の議論の方針について
1. メッセージ性だけを求めるものではないので、論点・視点の構成はこれでいいと思う。「3.道路の多様な機能」は大事。空間や景観を考えることが重要であると同時に、道路が有している「ネットワーク」としての特徴を活用すべき。社会・経済のネットワーク型産業のインフラも道路が担っていける。
2. このラインナップは「もう道路は十分だ」という前提で作られたように見える。渋滞も多く、やるべきことはまだまだある。景気回復により交通量も回復するだろう。台湾ではかつて空港から市内が渋滞していたが、もう一本の道路ができたことで解消された。
3. 過去の審議会の経緯からしても、ある程度の整備が進んだというトーンは妥当。この項目にはマイナーなことも多く含まれているが、「最も重要な部分」に集中した議論とアピールをすべき。最も重要な部分とは、道路の根本的機能である人と物の移動をスムースにすること。
4. 国防における社会資本(道路)の役割を考えるべき。
5. 道路ユーザーの幅広い参画が「5.費用負担と役割分担」に入っているが、「1.公正・透明で効率の高いプロセスへ」のメインストリームに上げていい重要性があるのでは。また、今は社会実験などで単発の施策をやっているところが多く、トータルのインパクトに欠ける。ITSや従来型のアナログの技術、ソフト的な活動を全部セットにして、いくつか場所を決めて集中投入するというのはどうか。
6. 項目の切り分けの問題かもしれないが、道路の機能のひとつである都市形成の機能は、都市交通の機能を規定する。北海道で交通量の少ない道路が批判されるというのは、地域の将来ビジョンと道路がつながっていないことが問題ではないか。
7. 「道路行政を巡る論点」と「道路を巡る論点」は違うのではないか。国がやるべきことは基本的なこと。そこに自信を失うべきではない。

公正・透明で効率の高いプロセスへ:透明性の確保と信頼性の向上(目標設定と厳格な評価)
8. 再評価システムでは「要らないものを排除する」方向のみになっている。「もっと早くやれ」という評価もシステムのなかにあるべきではないか。
9. 「ちゃくプロ」はいいと思うが、「さぼっているから遅いのではない」ことは言っておかなければならないのでは。早くできる状況にあるものを指定してそれを早く作るというだけでは寂しい。必要なものを早く作るというところまで踏み込むべき。
10. 説明上は問題あるかもしれないが、さぼっていた人が頑張る仕組みができるというのでもいいのではないか。
11. 自分の家の前だけできれば満足するという人々に、評価の指標を拡張して、ネットワーク効果などの全体に対する意味を説明することが大事。
12. 10年ほど前に「時間管理概念の導入」の議論をした。そのときに比べると今は随分とレベルが上がっているが、補助金の逆インセンティブなど、早く進めることを妨げるような要素はまだ残っており、そこに踏み込むことが必要。
13. ちゃくプロの考え方はすばらしいと思う。頑張った人が損しないインセンティブのできるルールが必要。圏央道の目標宣言は勇気があると思う。今後は道路事業で収用制度を積極的にやることを宣言すべき。
14. 戦争中のように「とにかく早くつくる」から「慎重にやって遅くできる」までの選択を示すことができないか。多少の不便があっても、半年でできると言われればそちらを選択することも多いと思う。
15. 道路事業は多くの場合は地元の納得や環境に対する合意や用地取得の問題で遅れる。理解を求めるだけではなくて、道路の意味や成果、歴史的な重み、自ら貢献することの喜びといった共感を得ることも大事であり、収用などの厳しい話とセットで言う方がいい。

「みち」のもつ多様な機能の復権
16. 道路の機能をいろいろ楽しんでもらうように使っていくことは賛成。ただ、国がやることなのかは疑問。
17. 景観について、看板が林立する風景を一概に好ましくないとはいえないのでは。写真をのせることで、そういう方向にリードしかねない。
18. 国がやることではない。地方に任せるべきこと。国がこういうことについて議論すること自体、本来の目的を阻害しかねない。
19. 沿道をどう捉えるかという問題は重要。国がするのはきっかけ作りで橋渡しをするもの。
20. 道路について何が大事かというメッセージが重要。どうせつくるなら楽しく美しい方がいい、その知恵を出してね、ということ。このとき、ローカリティーを重視することが重要。
21. 路線選定時に沿道を無視して間違っているケースがある。例えば河口湖や山中湖。観光地には再開発手法がない。また、道の駅は成功だがトラックターミナルはうまくいっていない。これをどう考えるか。メニューを示すのは国がやってもいいが、雑誌的な見せ方、専門家的な見せ方など、提案の仕方にも工夫が必要。
22. この中には、駐車場の機能に関する記述がどこにもない。道路は駐車場としての機能も重要。
23. 警察との連携、鉄道との連携など、道路から境界領域への積極的踏み込みが必要ではないか。
24. 静脈物流のニーズについて、拠点配置はまだ見えないが今後の新たなニーズになりうる。関越道のサービスエリアのゴミを市町村が引き受けてくれなくて、道路公団が自ら作ったゴミ処理施設の例があるが、これは静脈物流として非常にうまくいっている例だと思う。
25. 区画整理は一定の合意を得れば進められるが、TDMについては一人が反対すればできない。そこでの合意形成の仕組みがない。このようなストックを使う制度にどこが欠けているかを一度洗った方がいい。
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