第5回部会では、「安全を守る」ための道路政策のあり方についての白石委員からの発表、「環境を保つ」ための道路政策のあり方についての横島部会長代理からの発表がありました。また、地域の有識者として熊坂義裕氏(宮古市長)、柏谷増男氏(愛媛大学教授)よりご意見を伺い、それを受けて議論が行われました。
「安全を守る」について議論するにあたり、白石委員(東洋大学助教授)より発表が行われました。白石委員発表では、今後の人口減少や少子高齢化を考慮すれば、「安全性の確保」「車中心から歩行者中心」「暮らしの基礎的サービスの享受」などを視野に入れた、道路・交通環境の創造が求められ、選択的な新規投資と既存ストックの質的向上が不可欠という認識のもと、道路に求められる基本政策として以下の項目が提案されました。
(1) 高齢者を含むすべての人が安全に歩ける道路環境
(幅の広い歩道、歩行空間のバリアフリー化、既設歩道の改善 など)
(2) 歩行者や自転車の利用を優先した生活環境ゾーンの形成
(外周を形成する幹線道路の円滑化、住宅地域内の通過交通の抑制 など)
(3) 安心して社会経済活動を営める道路インフラの確保
(道路インフラのサービスレベルの維持・向上) このような提案のまとめとして、安全な道路・交通環境の創造が、人口減少社会における交流促進や活力ある高齢者のモビリティ向上につながると指摘されました。