部会概要
 
第7回基本政策部会内容
日 時
平成14年7月2日(火) 10:00〜12:00 
場 所
国土交通省10階共用会議室
部 会 長
中村 英夫
武蔵工業大学教授
部会長代理
横島 庄治
高崎経済大学教授
委   員
越澤 明
北海道大学大学院教授
委   員
 
残間里江子
潟Lャンディッド・コミュニケーションズ゙代表取締役
委   員
白石 真澄
東洋大学助教授
委   員
家田 仁
東京大学大学院教授
委   員
中条 潮
慶應義塾大学教授
委   員
波頭 亮
鰍wEED代表取締役社長
委   員
リチャード・クー
竃村総合研究所主席研究員
       ○は出席した委員
 

第1回部会資料−2「基本政策部会の運営について(案)」に基づき、委員氏名は○○としています。
 
「論点整理」をテーマに開催。

 第9回部会では、これまでの基本政策部会における議論をふまえた、基本政策部会中間報告(案)が提出され、その内容に基づいた議論が行われました。

基本政策部会「中間報告(案)」を説明

はじめに、事務局から、前回部会に提出された「中間報告(案)骨子」をベースに、各委員の発言内容などをふまえて作成された、基本政策部会「中間報告(案)」が説明されました。中間報告(案)として整理された主な項目は以下の通りです。

第T部 現状認識及び基本的方向

 第1章 経済社会についての現状認識
  1−1 戦後の経済社会の変化
  1−2 持続可能な経済社会の構築に向けて
 第2章 道路整備についての現状認識
  2−1 経済社会の発展を支えた道路整備
  2−2 量的ストックの形成
  2−3 残された課題への対応
  2−4 道路を取り巻く諸環境の変化
 第3章 道路行政についての課題と反省
  3−1 投資分野に対する国民の期待との乖離
  3−2 有料道路制度の限界
  3−3 公共事業の効率性に対する不信感
  3−4 有効活用の観点の軽視
 第4章 道路行政の改革の基本的方向
  4−1 道路行政の使命と政策目標の明確化
  4−2 行政システムの改革

第U部 道路行政の改革のための具体的提言

 第1章 道路行政システムの改革
  1−1 評価システムによる峻別
  1−2 集中的重点整備の実施
  1−3 有料道路制度の見直し等
  1−4 既存ストックの有効活用
  1−5 コスト縮減・技術開発
  1−6 ユーザーの視点に立った開かれた行政運営
 第2章 5つの政策目標の実現
  2−1 経済活力の増進・都市の再生
  2−2 環境の保全・創造
  2−3 安全の確保と安心なくらしの実現
  2−4 生活の質の向上
  2−5 個性ある地域づくり
 
部会では、「中間報告(案)」について、委員を中心に活発な議論を展開。
  • 道路を考える上での大前提の議論が必要。これまでは道路は単純な車の移動空間という捉え方。これからは多機能な社会空間として考えるべき。単なる多様と移動空間では足りない。
  • 5つの政策目標は、重複なく、順序にも意味を持たせてまとめるべき。覚え易いことも重要。
  • 「はじめに」には、なぜ今部会の議論を始めたのか、ということを記述すべき。
  • 政策目標は、都市の再生+経済活力、くらし+安全・安心、環境の順番ではないか。
  • タイトルについて、「再構築」という言葉を使えないか。
  • 第T部と第U部の章立ての順序を合わせた方がよい。また、第U部の各施策を新規と従来のものに分けて書いたほうがよい。
  • 「はじめに」には、何が変わったのかを示すキーワードをちりばめた方がよい。
  • マクロ経済的なことを書くのに遠慮しているのではないか。これだけ厳しい状況の中で、従来通りのやり方で乗り越えられるのか。例えば、「国際競争力の低下」という切り口から始めたらどうか。
  • どんどん企業が海外に出て行き、国内産業の空洞化が進んでいるくことに対してどう考えるのか。国内のバランスシート不況の問題と加えて、これら2つに対して道路が何をすべきかというところから書くべきではないか。
  • 「経済・社会構造の改革の遅れ」から経済が低迷しているのではない。もしそうであればインフレになっているはず。
  • 違法駐車排除について、駐車を前提とした道路構造(幅員)ということも考えるべき。
  • 集中、集中と言いながら26ページにわたって同じトーン。もう少し絞込みが必要ではないか。
  • 構造改革か積極財政か議論はある。産業空洞化は道路整備状況が要因とは、思わない。
  • 五つの目標の並びが落ち着かない。経済活力、環境、安全安心、これらは重ならないが、その他については視点が錯綜している。
  • 「公」の意識、「私」の制限については、タイトル、章のレベルに持ってきてほしい。市民社会の構成員は「公」の意識を持つべき。潜在的では弱すぎる。
  • 危機感が現れた書き方になっていない。タイトルも書き方も。
  • 明日のための道路ではなく、今日やるべき道路。方向転換がなされるということが書かれてなくてはいけない。迫力のある書き方が必要。
  • 中村先生の文章を冒頭に持ってくるという方法もある。
  • プール制の見直し、地方分権・地域負担、公団民営化についてはもっと書いてほしい。縄張りにこだわらないこともこの部会の特徴であるはず。
  • マクロとミクロの視点が違うから意見が違うのは当たり前。マクロはたまに起きる合成の誤謬を見ること。
  • 構造改革は必要。ミクロの改革は必要だが、マクロへの配慮が必要ということ。
  • ここで議論しているのは、道路政策であって経済政策ではない。結果として経済がどうなるかはあるが、あくまでも道路サイドからの提言をまとめるべき。
  • 今回はかなり思い切った形で舵を切っていると思う。これに合うタイトルがほしい。
  • 例えば、「新しい道路政策への転換−よりよい生活・経済・環境に向けて−」ではどうか。
  • 「道路政策転換!」を強いゴシック6文字で。インパクトはある。
  • 都市の再生をきちんと言うことが重要。経済成長ではなく、都市の再生を道路側から言うべき。
  • 地方の道路について抜け落ちていることはないのか。
  • 「生活の質の向上」の中で、地方部のモビリティについても触れるべき。
  • 公共交通は大都市圏の話であって、地方都市では自動車交通中心。
  • 「『国土の均衡ある発展』からの脱却」というタイトルはどうか。中身をイメージできるタイトルが必要。
  • 経済的視点を持つことが重要。
  • タイトルについては、とにかく「渋滞が敵」に尽きるのではないか。
  • 地方の問題については、内容としていくつか書かれている。該当する章のタイトルの後に何か言葉を付け加えてはどうか。
  • タイトルは、読んでみようかなと思わせるものであることが重要。
  • 都市に住んでいない人への配慮をどう表現するかが問題。
  • 転換ということを効果的に打ち出すためには、強いメッセージが必要。あえて地方のことを出さなくてもいいのではないか。内容として触れていなくても、現実問題として地方部の道路を止めるということにはならない。
  • 各章、各項目のタイトルは、中身を表すものにすべき。
  • 政策目標という「What」の部分は各委員で意見が異なる。行政システムの改革という「How」のところは各委員共通の認識。これを基本スタンスとして、タイトルに活かすべき。
  • 国民が求めているのは、渋滞、事故、環境の3つの問題。
次回の部会の進め方について合意。

次回の部会については、以下のように進めることが合意されました。
  • 本日の議論の内容をふまえ、次回までに中間報告(案)の加筆・修正を行い、それに基づいた議論を実施する。
 
 
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