部会概要
 
第1回基本政策部会内容
日 時
平成14年3月27日(水) 16:00〜18:00 
場 所
国土交通省4階特別会議室
部 会 長
中村 英夫
武蔵工業大学教授
部会長代理
横島 庄治
高崎経済大学教授
委   員
越澤 明
北海道大学大学院教授
委   員
残間里江子
潟Lャンディッド・コミュニケーションズ゙代表取締役
委   員
白石 真澄
ニッセイ基礎研究所主任研究員
委   員
家田 仁
東京大学大学院教授
委   員
中条 潮
慶應義塾大学教授
委   員
波頭 亮
鰍wEED代表取締役社長
委   員
リチャード・クー
竃村総合研究所主席研究員
       ○は出席した委員

第1回部会資料−2「基本政策部会の運営について(案)」に基づき、委員氏名は○○としています。
 
今後の議論のテーマを決定

 今後5回にわたって、基本政策部会で議論する論点テーマが決定いたしました。各回において議論するテーマは次のとおりです。

 第2回部会(今回 3/27) テーマ:「生活の質を高める」  
 第3回部会(4/9 予定) テーマ:「経済活力を高める」  
 第4回部会(4/23予定) テーマ:「地域の魅力を育てる」  
 第5回部会(5月前半予定) テーマ:「安全を守る」「環境を保つ」  
 第6回部会(5月後半予定) テーマ:「進め方を改革する」「論点整理(まとめ)」

委員ペーパーを基本とした議論

 「生活の質を高める」について議論するにあたり、越澤委員(北海道大学大学院教授)より「豊かで品格のある道路空間の創造に向けて」と題して発表が行われました。越澤委員発表では、道路は都市の公共空間そのものであり、都市に今欠けているのは、品格と文化と活気とゆとりと誇り、と指摘しています。その上で、取り組むべき基本政策として以下の項目が提示されました。

1. 公共空間である道路と都市の再生・再開発で生み出される民有空間(半公共空間)の一体的な整備
2. 道路空間と沿道の文化、賑わい、地権者との協働
3. 都市内の幹線道路の整備による沿道誘発効果
4. 昭和43年以前の都市計画道路に対する国の責務
5. 密集市街地における生活道路の整備
6. 密集市街地、スプロール市街地における準幹線道路、幹線道路の整備。沿道の市街地整備との連動、促進。
7. 文化遺産としての道路。都市内の道路整備の哲学を再構築すべき。
8. 路面電車(トラム)の復権を強力に推進すべき。
 
部会では、委員を中心に活発な議論が展開。

都市はまだ未完成であり、その完成度を高めることが道路行政の責任。
国土全体がどういう姿になりたいのかという全体像が必要である。地元要求、住民要求の裏には政治要求が入っている。本当の地元要求とは何なのかということを見極める新しいしくみが必要ではないか。
都市空間の美しさがないということは大きな問題。美しい環境に育った人と、ごちゃごちゃしている環境に育った人は発想の根底から差が出るのではないか。日本にも固有の美意識があり、それを道路に生かせないか。
欧米は徹底した車社会であるが、歩行者優先が可能となっている。これは駐車場がしっかり整備されているからである。今後、車なしでは世の中は成り立たず、(車と歩行者を)いかに調和させるかが課題。
現在の日本は「地域独裁主義」であり、地域が聖域となっている。この国は全体のバランスとして逆方向に向かっているのではないか。
道路は基本的に移動のためのインフラであり、短期的課題として渋滞の解消が急務。その際、客観的なクライテリアで(対策や箇所を)選択すべき。
日本は民度が低く、自己犠牲の考え方があまりない。PIをする場合は、民度を考えて実施すべき。
PIをやるにあたって重要なのは何万人の意見を聞いたということではなく、一人でもいいので光るものを拾い上げることこそ重要。
道路を作っている人の中で何人が実際に車で走っているのか。あまりにも走りにくい。実際にハンドルを握っていない人が道路を造って良いのか。少なくとも、実際に運転している人から意見を聞くべきではないのか。
抜け落ちているのは、遠隔の人の生活の質。日本の道路の状態でもっとも悪いのは漁村。地形が厳しいこともあって、きわめてお粗末。
不要な道路を造っているのではないのかという国民の意見に答えるべき。国策として何をやるべきかという視点が重要。平均的なものではなく、これまで見落とされてきたもの。都市と地方ではなく、国として何をやるべきかという視点でみるべき。どういう選択肢をとるのかという理由を明確にすべきではないか。
「公」と「私」という問題を考えた場合、「公」の範囲を拡大すべき。よりよい「公」を成立させるためのPIであれば、意味がある。「公」のパワーが小さくなっていることが問題。
地域計画と道路計画の整合性をとるべき。地域計画をリードする道路計画があってもいいのではないか。
 
○○○○○
 
 次回の部会については、以下のように進めることが合意されました。
  波頭委員、クー委員より、テーマ:「経済活力を高める」に関する提案が行われる予定。
 

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