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全国の地方都市が、
自ら輝く
まちづくりを。

都市局都市計画課 開発企画調整官

小柳 美枝子平成22年(2010年)入省

[ Career ]

H30.6 都市局
都市計画課 開発企画調整官
H28.7 内閣府沖縄総合事務局
運輸部企画室長(地方出向)
H27.8 観光庁 国際観光課
(国際関係担当)課長補佐
H25.4 都市局
総務課国際室 課長補佐
H24.4 総合政策局
政策課 政策係長
H22.11 自動車交通局(現自動車局)
安全政策課(主査)

「コンパクトシティ」には、
郊外の適切な開発が欠かせない。

私が所属する都市計画課では、まちづくりの基本となる都市計画を手掛けており、近年は人口減少社会におけるコンパクトシティが重要政策となっています。コンパクトシティと聞くと、まちの中心部に住宅や商店を集積させるイメージをお持ちかもしれません。確かに概念はその通りなのですが、現実には様々な課題があります。昔からまちの中心部にある商店街が老朽化して空き家が増え、郊外の安価な土地に商業施設や分譲マンションが開発されることで、まちの中心部が空洞化していくという負のスパイラルに陥っている地方都市が数多くあるのです。こうした状況を打破するために、国土交通省では各自治体に対する都市計画の企画やコンサルティングを実施。まちの中心部の密度を上げることで、地方都市の活力維持を進めることが私たちのミッションです。

現在、私のチームが担当しているのは、主に郊外の開発コントロール。まちの中心部に機能を集めても、郊外に商業施設やマンションが乱立してしまっては、最適なまちづくりが進みません。そこで自治体毎に開発を抑制すべきエリアを設定しており、当該エリアでは開発を抑制するための法律や規制がしかれています。もちろん全てを規制するのではなく、例えばインターチェンジの近くに物流施設を誘致して地域経済の活性化につなげるなど、地域全体でメリハリのある開発が進むように計画していきます。また特に近年では、災害に強いまちづくりも重要なテーマ。ハザードマップや土砂流出の危険性が高いエリアを考慮した都市計画を行っています。

現場で使いやすいことも、
補助金や制度の大切な機能。

都市計画において私が大切にしていることは、実際に現場で運用する自治体や、民間会社の方の意見をしっかり聞くこと。現場を知ることの大事さは、以前に沖縄に赴任して、県庁や市役所、民間企業との調整役という立場で観光と交通政策を担当した時に実感しました。それ以前は国全体の視点で観光振興の制度づくりを担当していましたが、いざ現場で制度を使う側の立場に立つと、分かりにくい、使いづらい点が多いと気づきました。例えば沖縄では観光客や国際会議の誘致に力を入れていますが、そのために使える制度や補助金が沢山あるにも関わらず、国側で提供している情報が複雑でどう使えばいいのか分からないのです。そこで我々国土交通省の職員が中央省庁とのつなぎ役となり、地元で利用できそうな制度や補助金を紹介しながら地元と一緒に課題解決のため、一緒に業務を進めていきました。また地元が抱えている課題を解決するために、内閣府の沖縄担当に掛け合い、新たな支援策を創設したこともありました。観光業の人材スキルを高めるために、地元団体と協同でホテルの支配人や県内の観光業界の方々を集めて1年間研修を企画したときは、私も泊まりがけで参加。それ以来、ホテルや観光業者のメンバーとの距離がぐっと近づき、今でも東京や沖縄で時折会ったり連絡を取り合っています。

こうした地域との交流は、学生時代からやりたかったことのひとつです。当時から様々な地方を訪れて、地元の方と交流を続けていました。その際に、それぞれの地域ごとに違う、地域の魅力や人の思いに触れ、この経験から地方都市のまちづくりに関わりたいと思い、国土交通省に入省しました。

地元の人の想いを叶えることが、
まちづくりのベストなカタチ。

まちづくりには、正解がありません。コンパクトシティと言っても「昔栄えた旧市街に人口を集めてまちを活性化させましょう」と単純に言えるものではないのです。その中でベストなまちづくりを進めるためには、地元の自治体や民間事業者を巻き込みながら、腰を据えた開発をすることが大切だと思います。短期的に人口を増やせばよいのではなく、長期的な観点で「まちの活性化にはどういう開発が必要なのか?」「本当に郊外のここに開発が必要か?」など、各自治体がそれぞれ深く考えて開発を進めていかないと、地方都市の復活は難しいと思います。民間事業者に対しても、マニュアル通りに事業を許可するだけでなく「ここには公園をつくってほしい」とか「道路を広くしてほしい」など、30年、50年、100年先のまちの姿を思い描いて、しっかり伝えることが必要だと思います。私は国の職員として全国一律の基本ルールの企画立案を行っていますが、将来的には各自治体の現場の意識改革につながるようなアプローチもしていきたいと考えています。もちろん既に意識高く取り組んでいる地元の方はたくさんいますので、彼らとのネットワークを更に広げて様々な人に会い、私自身も色々なことを学んでいきたいです。

〔 私の休日の過ごし方 〕

月に一度は地方へ旅行に行って、地元の友人とフィールドワークをしています。先日は沖縄で、リバートレッキングを楽しみました。また、東京ではNPO活動を通じて、世界各国の文化・料理を知ってもらうイベントの企画を行っています。週末に様々なバックグラウンドを持った人と会うことで刺激をもらい、いいリフレッシュになっています。