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海外インフラ市場に、
日本企業の
力を届ける。

総合政策局国際政策課 総括国際交渉官

長谷川 栄光香平成21年(2009年)入省

[ Career ]

H30.7 総合政策局国際政策課 総括国際交渉官
H29.7 英国留学(グラスゴー大学)
H27.4 住宅局市街地建築課マンション政策室課長補佐
H26.4 大臣官房総務課法規第一係長
H23.7 都市局まちづくり推進課都市開発金融支援室民間都市開発係長
H22.7 自動車局総務課法規係・環境政策課主査
H21.4 都市・地域整備局都市・地域政策課調整係

2020年までに、約30兆円。
高い目標にチームジャパンで挑む。

私は現在、総合政策局国際政策課で、海外のインフラ市場への日本企業進出の後押しに取り組んでいます。日本では人口減少や少子高齢化による国内需要の縮小が懸念されていますが、世界のインフラ需要は旺盛で、拡大を続けています。一方で日本の建設業界は工事受注の大半が国内であり、海外事業の受注では後れを取っているのが現状です。海外のインフラ事業は相手国政府の意向が強く働きますし、下請事業者の能力や安全性に対する意識・モラル水準が大きく異なるなど、特有の難しさがあるもの。そこで政府は日本の成長戦略の重要な柱として「2020年までに約30兆円の海外インフラシステム受注」を目標に掲げ、日本企業の海外インフラ事業進出を後押ししています。日本の戦略は「価格」だけではない「質の高い」インフラ投資を、途上国を含む世界に定着させること。たとえば、初期の建設コストは他国の方が安くても、耐久性から維持管理までを含めたトータルコストは割安であること、また相手国のメンテナンス作業員を教育して品質維持ができるように人材育成することなどをアピールしています。私はこの仕事に就いてまだ4ヶ月で、初めての国際業務。外交における各国ごとの重要事項、民間企業のニーズ、国際機関や大使館の業務など、把握するべきことが多岐にわたり、交渉の際にちょっとしたメールの言い回しで意図とは違う反応があるなど、国際ならではの仕事の難しさと醍醐味を実感しています。

チャレンジが未来につながった、
シンガポールでのセミナー開催。

現在、ASEAN各国と協同して、質の高いインフラ実現のための取り組みを進めています。きっかけは2018年に急遽開催したシンガポールでのセミナーでした。現在、ASEANがスマートシティネットワークとして、各国3都市ほどでスマートシティをつくるモデル事業を推進しているのですが、その取り組みに日本も連携できないかと考えました。そこで交渉のために議長国であるシンガポールを訪問。当初は打ち合わせだけの予定でしたが、せっかく現地に行くのだからと、構想しているネットワークについて日本企業向けにセミナーを開催できないかとシンガポール政府に打診したところ、ダメ元だったのですが実施できることに。そこから参加企業集めや会場のセッティングを急ピッチで進めました。時間がない中でしたが、ゼネコン、デベロッパー、コンサル、銀行、商社、IT系など40の企業が参加。セミナー本番は私自身、初めて英語で司会をするなど緊張しましたが、大変盛況なイベントになりました。参加した日本企業からは「気になっていた情報が得られてありがたかった」などの声をいただき、日本企業が参画するための力になれたと思います。このセミナーを機に連携の話も進み、シンガポールとしてもスマートシティネットワークをよりPRしたいという意向もあって、日本での国際会議の開催が決定。その趣旨が時流に沿ったものと評価され、ASEAN首脳会合の場で総理から言及されるなど、私としても貴重な経験になりました。来年に予定している国際会議を有意義なものにするべく、現在、内容を企画中。他の国際会議を視察したり、知見のある人に話を聞いたりと、私自身の知識も深めながら準備を進めています。

海外留学の経験を、
日本の経済成長に活かしたい。

国際関連の仕事をしたいと思ったきっかけは、昨年1年間、スコットランドに留学したことでした。入社8年目を迎えたときに留学のチャンスをいただき、自己研磨するいい機会だと思ってチャレンジ。留学先では、英語力を磨きながら世界の公共政策と都市政策を学びました。留学して強く感じたのは、ヨーロッパの都市政策に対する考え方は、日本とは全く違うということ。ヨーロッパでは民間に開発の自由はなく、行政が強い主導権を持ち「こんなまちにする」という方針を打ち出して、住民参加でまちづくりを行います。それもあって、まち並みも綺麗で整ったものになる。こうしたやり方から学べることも多いと思いました。そして、1年間の留学を終えて帰国した際に、せっかくなら向上した英語力や海外での知見を活かしたいと考え、国際関係の部署を希望し、現在に至ります。留学経験を経て日本を見ると、インフラシステムの海外展開をさらに進めるためには、日本としてのセールスポイントをより具体的にしっかりつくることが重要ではないかと思っています。「日本のインフラはすごい」だけでなく、諸外国と比べて何がどういいのかというセールスポイントを明確にして、相手国に喜ばれるものを提供する。そのために、私たち国土交通省にできることはまだまだあると信じて精進しています。

〔 私の休日の過ごし方 〕

昨年のスコットランド留学中は色々な場所へ旅行しました。古いお城がたくさんあったり、山の地形がすごくダイナミックだったり、スコットランドには見所がたくさん。特にアイラ島の景色や雰囲気がとてもよかったです。ウイスキーの聖地と言われている場所でもあり、本場ならではの独特の風味を楽しみました。