国土交通省
 国土審議会調査改革部会
 第4回地域の自立・安定小委員会・議事概要

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  1. 日時
     平成15年8月20日(水)14:00〜16:00

  2. 場所
     中央合同庁舎3号館4階特別会議室

  3. 出席委員(50音順)
     池上委員、江崎委員、大西委員長、岡部委員、菅沼委員、古川委員、柳川委員

  4. 議事
     (1)開会
     (2)地域の現状と展望
       1都市を中心とした地域の状況について
       2都市のコンパクト化について
       事務局より説明後、質疑応答。
     (3)調査改革部会への経過報告に向けての議論
       事務局より説明
     (4)古川町視察について
    • 菅沼委員より、視察行程を説明
     (5)閉会

  5. 主な発言内容(順不同)
    (1)都市を中心とした地域の状況について
    • 都市の動向について、上下水道の使用量、電力消費の需給関係、特に都市のゴミ焼却場の需要と供給がどうなっているか、また、日本全体で知的財産立国を目指す中で、人材育成について、国としてどのような基盤整備を行っているかの観点からも見るべきである。
    • 都市を特性的に捉えたものとは別に、都市のライフサイクルを時間軸で捉える必要がある。それにより、今、それぞれの都市がどのような状況にあり、次に何を目指すのかを定性的に捉えることができる。
    • 都市の形成について時間軸で捉えることについては、都市を中心と郊外にわけ、最初は中心に人口が集まり、次に郊外化が起こり、次に中心が空洞化し、郊外も減少し、都市が衰退するが、また、何かのきっかけにより、再生するというサイクルがヨーロッパの学説にある。
    • これからは、どれくらいの規模の都市が生き残れるのかどうかの判定をする必要があるため、尺度をもうける必要がある。それにより、都市が自立できるレベルがどうかが判断できる。
    • 日米の住宅流通市場について、アメリカでは中古住宅の市場が活発であり、日本においては新設住宅が活発であるが、これは住宅の耐用年数等によるものであると考えられる。
    • 都市再生について、一方で建物の高さ規制を緩和しているが、一方ではマンションの建替えは進んでいない。長期的な観点からは、地元の自治体が規制緩和により、建替えを推進していくのと、都市計画による規制を行うのとどちらがいいのか難しい。
    • 日本とアメリカの住宅事情を比較すれば、持家率はかわらないが、アメリカでは家具で住み、引越がしやすいが、日本では建具で住み、自分で使い込んでいくため、他の人間が住みにくい等の文化の違いがある。
    • 日本の住宅は、今まで物理的な寿命が短かったため、現在、住宅の長寿命化を図っている。
    • 都市との関連において、ヨーロッパの場合、建物の物理的な寿命と社会的な寿命を考慮してその取り壊しを判断しているが、日本のマンションの建替えについて考慮される範囲が狭い。 
    • 古川町はNPOの設立はしていないが住民主体のまちづくりを行っており、それを行政が支援している。

    (2)都市のコンパクト化について
     1都市のコンパクト化の必要性について

    • 人口減少の時代には、ゼロから目標をたてるのではなく、現状の諸機能を足したり引いたりしてメリハリをつけていくことが重要である。
    • 国土計画との関連では、東京一極集中の中で人口減少していくと生き残れない地域が増えていくが、下のレベルで一極集中すれば相対的に自立できる地域も増えていく。複数のレイヤーで多極分散の構造をつくれば、よいのではないか。
    • コンパクト化をすれば、経済効率性はいいが、地域の個性がなくなり、コミュニティは衰退してしまうのではないか。
    • 70年代からまだらに人口が増えた地域は今後まだらに減っていき、その地域の下水道等インフラをどう維持していくかが問題となるため、コンパクト化は絶対必要である。例えば、山形県の余目町では病院を中心としたまちづくりがなされており、これからの高齢化時代にあったまちづくりである。
    • 地方の集落では結があり、みなが助けあってきた。これは、これからも守っていく必要があり、コンパクト化によって維持管理が効率的になるとは思わない。

     2都市のコンパクト化のイメージについて

    • 都市のコンパクト化の定義はわかりづらいが、物理的に小さな面積に都市の諸機能を集めることと考える。
    • 世界的にも都市のコンパクト化の定義はヘクタール当たり20戸から2000戸と幅広く、相対的な概念である。今よりコンパクトにすることにより、人口減少下の中で、にぎわいを失わないような都市のあり方を考えるということである。

     3都市のコンパクト化を図る指標について

    • 生活圏をスケールで考えた場合、人間が歩行や車等を使って移動できる範囲(1km〜20km)であり、そこに生活者に対する利便性のための所要機能を入れこんでいくことが、コンパクト化した都市の作り方だとと考える。それを電車や航空機で連携していけば、ある程度の都市の目標値が定まってくる。
    • 人口の分布に関し、生活者はどのようなインセンティブやモチベーションによって、動いたのかを分析をした上で、コンパクト化を考える必要がある。それぞれの地域の状況にあわせたコンパクト化を考える必要があり、現状を踏まえた上で、コンパクト化を定義し、指標化する必要がある。
    • コンパクト化を考える上で、昼間人口は多いが、夜間人口は少ない都心については、夜間人口に活動別の昼間流入者を加え、分析すべきである。
    • 都市計画においてはコンパクト化とは反対の計画を策定しようとする流れもある。低密度居住地でも、交通手段が発達すれば交通の不便さは軽減され、インフラも整備してしまえば維持管理費も少なく済み、また、エネルギーについても分散型発電でのエネルギー供給や燃料電池が普及すれば、効率性の問題もなくなり、さらにテレワークもあり、多様な住まい方に多様なサービス、技術を提供していくことも考える必要がある。
    • 測地的に都市を採り上げ、実態としての住まい方を調査し、人口分布と合わせれば、もっと掘り下げた分析ができる。

     4都市のコンパクト化を実現する手段について
      (欠席委員の意見の紹介)

    • コンパクト化はいろいろなレベルで考えるべきである。中小都市でのコンパクト化を実施するためには、道路等のインフラ整備をする必要がある。

(速報のため事後修正の可能性あり)


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