国土交通省
 国土審議会調査改革部会
 第7回持続可能な国土の創造小委員会・議事概要

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  1. 日時
     平成15年12月1日(月) 18:00〜20:00

  2. 場所
     中央合同庁舎3号館 11階特別会議室

  3. 出席委員(敬称略)
     武内委員長、小田切委員、小池委員、志賀委員、中井委員、林委員、三野委員

  4. 議事概要
    (1)開会
    (2)第3回調査改革部会(11月20日開催)での議論について
     (事務局より資料説明、質疑等なし)
    (3)持続可能な国土の創造小委員会中間報告(案)
     (事務局より資料説明後、質疑応答)
    (4)閉会

  5. 主な発言内容
    (3)持続可能な国土の創造小委員会中間報告(案)
    【第1部 現状と課題】
    • 報告書の中に「国土の均衡ある発展」についてのコメントを付すことが必要である。
    • “新しさ”を強調することが必要。新しい国土計画体系の中で、政策転換を明示する必要がある。
    • 河川行政が地域住民の意見を聴く方向へ転換し、住民が流域全体を考えることができる土壌が整ってきている今こそ「流域圏」という考えを明確に示す必要がある。
    • 森林の多面的機能発揮のための取組のところで、地方自治体独自の税制の導入の外に、里地里山の保全のための条例化の動き等国土計画的な観点を取り入れる必要がある。
    • 2部「5.国土利用の再編」に対応する現状分析、都市的な土地利用と自然的な土地利用の関係が1部に一切記述されていない。例えば、「土地の効率的利用の現状と課題」について、(1)不可逆で粗放的な土地利用の進展、(2)中心市街地の衰退と崩壊、(3)財政的、環境負荷的持続困難性、などの観点で1部にも書く必要がある。
    • タイトルの付け方について、内容や問題意識をより明示するよう再検討することが必要。
    • 今の段階では対応できることと出来ないことがあり、根本的に作り直すことは時間的に無理。現在の時点で対応可能な範囲で意見を出していただきたい。
    • 「土地の効率的利用の現状と課題」については、1部「1.国土利用の現状と課題」に土地利用の現況として財政的、環境負荷的な土地利用の持続困難化について記述を追加する方向で対応可能では。
    • 1部「1.国土利用の現状と課題」の現行節に中心市街地の衰退と崩壊などを入れ込み、別途(4)として財政的、環境負荷的持続困難性等の発展の限界についての記述を追加のこと。
    • 記述内容からキーワードを抽出し、タイトルに記載するようにすべき。
    • 環境負荷的に持続性が困難な土地利用の例示としては、鉄道を利用できない場所まで市街地がスプロール化することで、自家用車の利用が増大し、それによって環境負荷が高まるなどが言えるのではないか。特に、交通分野はCO2排出量が増加しており、CO2削減に悪影響を及ぼしている。財政的に困難な例示としては、市街地が拡大し、今後の人口減の傾向から一人当たりのコスト負担が増加することが予想されるなどがある。
    • 21世紀は、今までのような経済成長による市街地拡大、インフラ整備という路線では持たないことを認識することが重要となる。その考えを下に内容、タイトルを見直す必要がある。
    • 報告書を読むと不安になるような内容にする必要がある。
    • 現状の課題等が明らかになると、新しい国土計画を策定する必要性や法制度の充実につながる。文章、表現にはメリハリが重要。
    • 多自然居住地域の自立について都市部へのサービスの観点に加えて、自らの地域の観点として、「誇りの持てる自立的な圏域の形成を進めつつ」の文言を追加する必要がある。

    【第2部 これからの政策の基本方向】

    • 2部「3.循環型・環境共生型の国土づくり」に関して、循環と低負荷の議論が混在している。循環に関しては、水循環が抜けたモノの循環に限った内容である。バイオマスについてはリユースであり、リサイクルではない。バイオマスの利用と循環型社会とは矛盾がある。環境共生型については、“自然共生型”ではないか。
    • 2部「5.国土利用の再編」にある“土地利用の集約化”は“都市的”土地利用の集約化ではないのか。農村集落のコンパクト化はあり得るが、農地・林地は環境保全型への転換など粗放化する方向であり、両方向に分極化することになるのではないか。
    • 循環型については、環境省の仕切りが反映されている。そこではゴミが主であり、今回その延長で“モノ”の循環となっている。ただし、本来は水循環も含めることが望まれており、新「環境基本計画」では戦略プログラムでも水循環は別項目になっている。「持続可能な国土」が一番良いが、今回は国土の“モノ”の循環に限定する。五全総作成時の議論では人と自然の共生は生態学的にはおかしいということであったが、一般的になっているので環境共生を自然共生に変える。「自然と人工のシステムの国土におけるバランス」が重要。
    • 2005年に山村振興法が切れ、新過疎法が後期計画にはいるなどハンディキャップ法が一つの区切りを迎えており、国土計画の動きを注視している。本来的には条件不利地域に関する法律の統合が必要と書くべきだが、“施策・制度”の総合化とする必要がある。
    • 中山間地域においては、集約化もあれば粗放化もある。現状の二次的自然を維持するためには、人口減少に伴っておのずと粗放化にならざるを得ない。集約化と粗放化が同時に進むことを認識した上で記述すべき。
    • 「目標−戦略−戦術」の骨格で構成を考える必要がある。戦術はある目的に役立つが、別の目的には逆の効果をもつことがあり、これを最後で記述する必要がある。
    • 2部「これからの政策の基本方向」の構成図について11ページの最終パラグラフにまとめて少し形式的に書いてあるだけで生かされていない。構成図に沿って2部全体を書いたら分かりやすい。
    • “都市郊外部”については、大都市郊外を再編するにあたっての基本的な方向性についていくつか記述するなど、再編の手段だけでなく、方向性についての記述を充実する必要がある。一つは日本の郊外は表情のない地域になってしまったという認識の下に、どうやって表情を取りもどすかが再編の最大の方向性である。具体的には日本の郊外は世界のどの地域より鉄道網が発達しており、駅の拠点性を高めること。既存の住宅部分についても、母都市への依存性を低める生活関連産業や自営個業タイプの産業があれば郊外の自立が出来る。住環境については、空き地が増えれば倍の敷地のある住宅地が可能であり、郊外の可能性につながる。団塊世代をはじめ戦後の高学歴者が集まる人材の宝庫であり、これをうまく活用し再生をしていくことなどを記述していく。郊外地域を再編することは多様なライフスタイルの受け皿をつくる上で不可欠といった認識を持って記述することが重要。
    • 「多自然居住地域」と「都市郊外部」は“絶望からの可能性“という基本的に同じスタンスで書けるのではないか。両地域とも地域の自然や住環境が話題になり、産業論が問題になり、人的資源をどうやって確保するかが課題となるように、これら地域を並列的ではあるが、小委員会として共通した問題意識を持った地域として捉えて書けるのではないか。
    • 災害常襲地域からの撤退の観点とは別に、社会的コストが高い地域からの撤退と元々の集落や中心市街地の魅力を高めることとをセットとして、結果でなく方向を書くことが必要。
      建築物の長寿命化ではなく、廃棄物排出量の削減という観点では、地区・街区の長寿命化とするべき。

    (速報のため、事後修正の可能性があります。)


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