国土交通省
 国土審議会調査改革部会
 第8回持続可能な国土の創造小委員会・議事概要

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  1. 日時
     平成16年2月5日(木) 18:00〜20:00

  2. 場所
     中央合同庁舎3号館 11階共用会議室

  3. 出席委員(敬称略)
     武内委員長、小池委員、中井委員、林委員、三野委員、鷲谷委員

  4. 議事概要
    (1)開会
    (2)第4回調査改革部会(12月25日開催)での議論について
     (事務局より資料説明、質疑等なし)
    (3)持続可能な国土の創造小委員会報告(案)について
     (事務局より資料説明、質疑応答により以下の通り修正)
     【目次】
    • 2部4章は「ランドスケープを活かした適切な国土資源管理」、5章は「都市的土地利用の集約化等による持続可能な美しい国土の形成」、6−1は「新たな豊かさを求める多自然居住地域の再生」、6−2は「田園としての都市郊外部の再生」に修正。
     【おわりに】
    • 7行目「これらの地域で推進することが極めて重要」に修正。
    • 13行目「管理を誰が担うのかがこれまで以上に問題になることは間違いない」に修正。
    (4)国土の総合的点検全般に係る主な論点について
     (事務局より資料説明後、質疑応答)
    (5)閉会

  5. 主な発言内容
    (4) 国土の総合的点検全般に係る主な論点について
     【全体について】
    • 持続可能小委報告書案の「はじめに」の3段落目にある「これまでの空間的・量的拡大から、ともすれば「いたみ」を伴う縮小・撤退へと大きく舵を切り、活力を維持しつつ環境と共生する持続的な社会を形成していかなければならないのではないか。」がこれら論点に強く反映されるべき。
     【国土の均衡ある発展について】
    • どこでも一律というよりは、その土地の自然的・文化的特性を考慮しながら、色々な面を勘案すると釣り合いが取れているイメージであることが必要。
    • 国土の均衡ある発展というのは、シビルミニマムやボトムアップ的な悪平等の印象がある。これからは個性的で活力ある考え方を入れた方がよい。
    • 地域が個性を持つことが、地域の魅力や住民の活力に繋がるので、「国土の均衡ある発展」という言い方はやめた方がよい。
    • 「均衡」より「発展」の方に抵抗感が強いのではないか。「発展」という言葉は国土の一部に対して使用する場合は適切な場合があるかもしれないが、過去のような成長型の経済状況ではない時に、国土の発展という言葉は気になる。
    • 「持続可能な発展」というのは経済的発展の意味合いの強い言葉で、ヨーロッパのように保全と開発のメリハリがついた文化土壌であれば違和感はないかもしれないが、日本のように土地利用が混合していて保全系が弱いところでは、イメージの取られ方が明確ではない印象がある、「発展」は、上向きのベクトルを持った言葉であり、「安定」のような言葉がよいのではないか。
    • 「発展」は新たなものを利用できるようにするとか、空間を拡げていくイメージであり、生態学的な見地から抵抗感がある。空間資源や環境の制約があることを踏まえたあり方を追求することが必要。
    • 「発展」に代わる言葉として、変わるということと開けていくという意味を併せ持つ「展開」という言葉がよいのではないか。
     【持続可能性について】
    • いくつか選択肢がある場合、これまでは短期的に考えて経済的効率性により判断されていたが、「持続可能性」というのは、時間的スケールを長くとった上で、効率性や資源をどちらが適切に使えるかにより判断されるべき。
    • 「持続可能性」は、ヨーロッパでは環境的持続可能性、経済的持続可能性、社会的持続可能性という三つの考え方で使われている。人と自然の関係やエネルギーに関しては環境的部分であり、経済的部分は日本で言うと財政問題になるが、本当は地域経済が地域の中で回るような概念、社会的部分は人種問題や所得格差の話だが、日本では外国人の話のようなところで、この部分は国土計画で扱う部分かどうか悩ましいところ。
    • 短期的な経済効率による持続可能性ではなく、生態学的な意味合いでの持続可能性ということであればよく、「環境と共生する持続可能性」という言葉にすれば、あまり違う意味に取られないのではないか。
     【国土の総合的管理について】
    • 社会資本整備は、これまでどちらかというと、社会基盤整備に重点化されていた。これからは、自然資本の保全・活用、バランスの取れた社会基盤の整備と、もう一つ、ソーシャルキャピタルの形成を加えた、幅の広い社会資本整備を総合的に管理するというイメージが必要。
    • 本来であれば、モノづくりから、社会全体を維持していくための仕組みを作るところへ移っていく必要があるにも関わらず、この書き方では必ずしも明確ではない。
    • 総合的管理には、インテグレートではなく、コンプリヘンシブな意味合いの包括的管理の視点が重要。
    • 同じ国土交通省でも社会資本の概念はどうあるべきかについての研究会が行われ、例えば、住宅は社会資本整備に入るが住環境は入っていない、また景観やランドスケープもこれからの社会資本整備には重要であるということなどを議論している。
    • 今こそ「流域圏」を押し立てるべき。関係法令でも多面的機能がうたわれ、また住民の意見を聞くことが打ち出されつつあり、流域協議会や流域委員会が試行錯誤的に活動を始めている。そのような動きを支援することが、自分たちの川という意識を高め、元々日本にあった上流・下流に対する思いやりや道徳意識に繋がるのではないか。
     【国土計画と文化の関係について】
    • 大都市と地方の間のギャップを埋めることは、ある程度のレベルに達しており、今後は、地域の文化や個性を国土計画がどのように誘導できるのかについて考える必要がある。
    • かつては、自然環境や社会がある程度安定して長い時間同じような状態を保っていたので、伝統的な文化や長続きするような文化があったのであろうが、大きく変化するような時代になると文化のあり方も大きく変わっていきそうである。これに対して国土の計画が与える影響は大きい。

    (速報のため、事後修正の可能性があります。)


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