国土審議会調査改革部会第１回国際連携・持続的発展基盤小委員会議事概要

日時
　平成１５年７月２２日（火）
場所
　中央合同庁舎３号館１１階特別会議室
出席委員（５０音順）
　石田委員、稲村委員、奥野委員、佐藤委員、西村委員、花木委員、真野委員、三友委員、森地委員長、山﨑委員
議事概要
(1)開会
(2)国土計画局長挨拶
(3)委員紹介
(4)国際連携・持続的発展基盤小委員会における検討事項等について
　調査改革部会設置要綱（国土審議会決定）に基づき、委員長代理に奥野委員が指名された。
　小委員会の議事の公開について、専門委員会設置要綱（国土審議会調査改革部会決定）に基づき、資料２のとおり委員長決定がなされた。　
　小委員会の検討スケジュール、主要論点（案）等について、事務局より資料説明後、質疑応答。
(5)グローバル化進展の中で我が国の国際交流機能・活動の現状と課題について事務局より資料説明後、質疑応答
(6)閉会
主な発言内容（順不同）
国際連携・持続的発展基盤小委員会における検討事項等について
- 　我が国の持続可能性だけではなく、成長する東アジアも視野に入れ、相互の連携により全体として持続可能性を考えていくことが大切。
- 　東アジア地域に日本が援助で整備したことの反射的効果が出てくる面もあり、検討して欲しい。
- 　「持続的発展基盤」について、ハード中心の印象を受けるが、戦略的な産業基盤を考える際は、ソフト面に十分配慮するべき。
- 　地域ブロックのあり方については、ヨーロッパのように似たような経済規模の国が集まっている状態をイメージしておくとよい。
- 　アジアの国々も２０１０～２０１５年で生産人口比率が落ちてくるため、無限の成長は期待できないことに留意すべき。
- 　生活圏域については、人口減により集落が維持できなくなってきている所をどうしていくのか、どうやって国土を管理していくのかを考えるべき。
グローバル化進展の中で我が国の国際交流機能・活動の現状と課題について
（総論）
- 　日本がアジアをリードしていくのか、アジアの奥座敷でいいのか、我が国の東アジア交流のスタンスを考えるべきだ。
- 　日本の活性化を地域ブロック単位で考えるのであるならば、中国も１つの国として考えない方がよい。地域によって、発展の度合いが異なり、とるべき戦略も異なってくる。
- 　国際交流については、対アジアと対ヨーロッパでとるべき戦略が全く違う。
  　対アジアでは、日本人のライフスタイルそのものがアジアの人々に魅力を与えている点を認識すべき。
（産業・貿易）
- 　外国企業の我が国への進出を促進すべき。テクノポリス構想等の当初の理念に合うような産業集積づくりに取り組むべき。
- 　ＦＴＡの進捗も大きな影響もあるので、検討しておいて欲しい。
- 　地方の国際化を考えるときには、ビザ、ＣＩＱ、言語の問題などのソフト面の制約がキーになっている。
- 　製造業の国際化に比べ、サービスの国際化が全く進んでいない。
- 　環境分野では日本がリードしているので、日本のプレゼンス上昇に利用すべき。
（交通）
- 　成田と羽田で国際・国内が分離されていることにより、特に地方から欧米へのアクセスが非常に悪くなっている。適正なハブ＆スポークを作っていくことが健全な地方の国際化に必要。
- 　欧州では超格安のリージョナルジェットがあるが、日本で実現する場合、高い人件費がネック。このような場面で、アジアと共同することで低コストを実現できるのでは。
- 　日本の物量ベースの取扱量が近年伸び悩んでいることは、環境の面からは悲観することではない。日本が目指すのは付加価値の高いものを扱っていくということではないか。
（情報）
- 　通信面では日本は劣っているわけではなく、技術力はアジア各国からも評価されている。日本の問題は、技術を持ってながら、携帯電話に代表されるように、うまく海外展開できてない点である。
- 　実際交流を考える段階で問題として、言葉の壁が大きい。我が国は情報のポテンシャルがあっても言葉が通じない点が課題。
（観光）
- 　東アジアの成長に伴い、各国に追いつかれる部分が多いが、決して追いつかれないものを考えてみると、感性とか感覚の部分であり、「観光」が大きなテーマになると思う。
- 　東アジア地域の交流は、特に交流・文化的な部分では助走段階。今後アジアからの来訪が日本の活性化の起爆剤になる。
- 　日本はアジアの中では中高緯度にあり、寒い地方が観光資源として大きなポテンシャルを持つ。
- 　日本人がアジアの観光を牽引している面もあり、日本人の行動パターンを分析する価値がある。
- 　欧州数カ国、数都市を旅行するというような大きく動く観光メニューが日本で不足している。新幹線に乗りたいというアジアの人のニーズを取り込んでいくことが必要。
- 　経済成長の過程で古いものが壊されていくという負の面について、東アジアの人々が参考にしているらしい。過去のいろいろな経験が売りになっていくことも考えられる。
- 　これからの地域の観光は、各産業のバランスをよく考え、相乗効果を発揮していくべき。

（速報のため事後修正の可能性もあり）